御神籤

ＴＯＰＰＹ氏はおみくじを引いた。

ＴＯＰＰＹ氏は毎年の正月に岐阜県の谷汲山華厳寺へ初詣に行き、そこで今年一年の行方を占うべくおみくじを引くことに決めている。普段は占いなんぞ全く信じない性質のＴＯＰＰＹ氏であるが、おみくじとなると話が違うようである。
「お寺のおみくじには有難味がある気がする。特に初詣にておみくじを引けば、一年の大計を見定め、目標を立てるのに役立つではないか」
そんなことを大真面目に語るＴＯＰＰＹ氏であるが、今適当に考えた言い分であることは明白である。



「今年はどうやら普通の１年になりそうだよ。でも君、それは悪いことじゃないんだよ。なんせ去年は、どちらかといえばイイコトのほうが少ない一年だったではないか。去年のおみくじは末吉だった。」

去年の運勢まで覚えている無駄に記憶力の良いＴＯＰＰＹ氏は、続けてこう言った。

「昨年末吉だった私は無事に就職も果たしたし、家族にも大きな不幸はなかった。これ以上何を望もうか。これで末吉だったのだよ。今年は吉だ。イイコトが私を待ち受けているに違いない。美しく清らかな乙女が私を待ち受けているに違いない。」

恋人のいないＴＯＰＰＹ氏はこのように嘯いたが、今回のおみくじを、一年の大計を見定め、目標を立てるのに役立てたのかは謎のままである。