私が事の顛末を説明し終わった後、先生は私の肋骨にデコピンをした。
先「痛いか」
俺「いえ、(そこは)とくに」
先「湿布でも貼っとけ」
俺「・・・。」
適当にほどがある診察を受けて湿布と痛み止めを10日分もらってきた。
まあ、折れてようがヒビが入ってようが肋骨の場合は何のしようもないのだけどさ。
2月10日現在、今でも若干痛い。
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さて、今回の旅に出る前、同期に言われたことがある。
「そんなに一人で出掛けてどうするの?そんなにあちこち一人で出掛けてたらさ、もし彼女ができてどこか行こうってなったときに、『え、俺そこに行ったことあるし』ってなるよ。つまんない男になっちゃうよ?」
うむ、確かにその通りだ。
しかし何時できるとも知れない彼女のために、旅を制限することなどできようか?
・・・というのは表向き・・・にもならない理由だけれど、本当の理由はほかにある。
1月の中旬というなんでもない平日に休みをもらったって、やることがない。
友達はみんな働いている。
しかも多くが既に結婚している。
実家に帰ったところでやることなんか全くない。
だったら、どこかに出掛けよう。
本当にそれだけだった。
・・・ただ、別に行きたいところなんかなかった。
暖かいところに行きたいな。
沖縄かな。今、安いし。
せっかくだから端っこの方に、あまり人が行かなさそうなところがいいかな。
それだけ。
特別行きたかったわけでもない。
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石垣島の商店街にいたおっちゃんと話してた時に教えてもらったんだけれど、石垣島は本州からやって来てそのまま居着く人が多いそうだ。
『ちゅらさん』の放送以来特に増えたらしい。
商売をやってる人はほとんど本州から来た人だと、おっちゃんは言っていた。
島で生活するにしても観光客相手の商売くらいしかやることがなくて、その観光客だってシーズンオフになればほとんど来ない。
結局、生活できずに帰る人も多いのだという。
「兄ちゃんもどう?部屋紹介するよ」
おっちゃんは商店だけでなく不動産も扱っているらしい。
私は全くそんな気はない。
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波照間島に来た日、宿の近くの小・中学校から子供たちの大声が聞こえてきた。
その日は金曜で時間は夕方5時過ぎだった。
みんなで声をそろえて、何か大声で叫んでいる。
はっきり聞き取れなかったけれど、どうやら道徳的な教育的なことを叫んでいるみたいだった(挨拶をしましょう、みたいな)。
すごいなぁと感心してしまった。
こういう何もない島の方が、教育が徹底されるのだろう。
そういえば、島を歩いているとき島の子供に「おはようございます」と挨拶された。
いい島だ。
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ケータイを壊す、悪天候のせいで予定が大幅に変わる、肋骨を痛める。
いいことなんか何もなかった。
もう当分旅に出ない!