tomitaikyoブログ

富退教(富山県退職教職員協議会)事務局からの情報発信です。会員の親睦を中心に教育現場への支援など様々な活動をしています。

日本の財政に新しい視点?

2016年12月12日 | 日記

 先般、NHKラジオ「生活の見方-私の視点」で経済アナリストの森永卓郎氏が現在の日本の財政状況について、これまでの一般的な見方の真逆のことを言っていたのですが、本当にそう受け止めてよいなら嬉しいなと感じていました。その内容は、簡単に言うなら「日本の財政状況はまだまだ優等生」とのこと。その理屈は・・・日本政府の負債は1272兆円だが、資産は679兆円ある。この資産は財務省が言っているように売却できないものではない。例えば道路でも売却したイタリアの例さえある。このように考えると純粋な負債はGNPと同額程度であるし(財務省はGNPの2倍以上で毎年増え続けていると脅してきた?)、財務省が別に公表している連結財務処理(独立行政法人なども加えた広い意味での政府の範疇と言えるもの)では負債は年々減っている状況にあるのが本当のところということでした。また、日本銀行が国債を引き受ければ、日本銀行券(お札)になって市中に回り、事実上、政府の負債はチャラになるらしいのです。

 今、日本銀行が異次元の金融緩和ということで日銀の国債買い入れやETF(株等の上場投資信託購入)などを通じて日銀の負債がたくさんあると思うので、果たしてこのように楽観してもいいものか? 市中に出回ったお金も回収しないことにはスーパーインフレの心配もあるのではないか?と思っていたのに、先日、興味深い本を読みました。「あなたの常識を論破する経済学-指標が物語るウソと真実(三橋貴明著)」です。

著者は、最近よくマスコミを賑わす三橋氏。本音をズバリと突く語りと内容は大変興味深いのです。その著者が、この本で著した内容にも森永卓郎氏と共通する部分もいくつかあり、つい納得してしまうのです。そのひとつには、「日本銀行は日本政府の子会社であるから国債を日銀に買い取らせると、政府の返済義務や利払い負担は消滅する。」というもの。氏は、このことを前提に現在のデフレ脱却には、政府が市中にお金が回るように公共事業などで使わなければならないと断言しています。(デフレ脱却の手法は昔から決まっており、「通貨を発行し、借りて、使え」とのこと。デフレ不況下で民間が主体的に支出を増やすことはあり得ないので、結局は政府がやるしかないため。)※国債の引受は、無論、財政法で制限されている「日銀の直接引受」ではなく、現行のように政府が「民間銀行」に発行した国債を、日本銀行が買い取る形でも効果は同じとしています。

 三橋氏の論法は大胆ではあるが、かなりの説得力を感じました。とにかく、日本経済の状況について、いろいろな見方・考え方があるものだと改めて思いました。その分今後の日本について、もしかしたらさほど悲観的にならなくてもよいかも・・・?と、わずかに希望を膨らませるのでした!? (土)