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今日の筆洗

2021年03月17日 | Weblog

 三人の役者がいる。いずれも芸歴、家の格は同じ。こういう場合、難しいのは座布団の置き方だそうだ。誰を上座にすえるか。うまくやらないともめる。会社の宴会にも似た苦労があるか▼ある知恵者はこう収めた。上座にした者に「当然、あなたです」と言う。問題は残る二人。真ん中に座る者には「二人を両端とし、あなたを真ん中にいたしました」、下座の割を食った者には「まとめ役でございますから」と言うのだそうだ。これなら大きな波風は立つまい▼座布団の位置や順番はそのまま地位や敬意の大きさにつながり、気にもなる。たぶん、米国側は日本人が上座や「一番」に弱いことを知っているのだろう。菅義偉首相の四月訪米である。バイデン大統領が就任後、対面で会談する最初の外国首脳となるそうだ▼「一番」に選ばれた首相は悪い気はしないだろうが、気になるのはその対価である▼中国の東シナ海などでの動きに警戒を強める米国としては日本と協力して対応したい。日米関係は外交安保の基軸とはいえ、「一番」に気を良くして、米国のペースに乗れば、経済的な結び付きが強い中国との関係はのっぴきならぬことになる▼ファースト・ペンギンとは海の安全を確かめるため、群れの中で一番に海に飛び込んでいくペンギンのことだそうだ。へそ曲がりは「一番」の名誉よりも、あのペンギンを心配する。


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