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今日の筆洗

2019年10月23日 | Weblog

 平成の即位の礼を報じた昔の新聞をめくってみる。「祝福の人波」や「波うつ小旗」といった見出しが並んでいる。好天の下、十万人以上が繰り出したパレードのにぎわいがあった。来日した各国の要人の中には、日本の経済援助を求めている人が多いと伝える記事もある。バブル崩壊はまだ問題になっておらず、平成の大災害も起きていないころである▼令和の即位の礼を昨日迎えた。テレビで見るおごそかな儀式に引き込まれた向きも多いはずだ。一方で、二十九年前のあの華やかなムードは乏しかったように思える。同じ日にパレードがなかったからだろう。台風19号の被災者や復旧の活動に、配慮しての延期である▼赤坂御用地に古い道が通っていたと知って感動を覚えた。少年時代の天皇陛下の逸話がある。道への関心はやがて水上の道の研究へとつながる。探究はさらに、運命づけられたように水害など水問題へと広がった▼「最も大きく影響を受けるのは…社会的に弱い立場にある人々です」。講演で水害の被災者への思いを繰り返されている。パレード延期は自然の流れだろう▼昨日のお言葉に「国民に寄り添いながら」とある。台風の被災者を思わせ、弱い立場の人を励ましたいという表明にも思える▼祝福の人波がなかったことで、かえって令和の天皇としての決意が記憶に残る。そんな日になったかもしれない。

 
 
 

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