自治体職員も能力がなければクビになる-。それを可能にする条例が大阪市にできたのは2012年。日本維新の会創始者の橋下徹氏が市長だった▼実際に、2年連続で最低ランクの評価を受け研修を経ても改善しなかったとして複数の市職員が後に、解雇に相当する分限免職処分となった▼かねて裏金問題など不祥事が相次いでおり、大なたを振るった氏は称賛もされた。既に政界から退いたが、公務員の怠惰を許さぬ行革は今も維新の看板である▼自治体職員の上に立つ首長に、維新は引導を渡すのか。パワハラなどの疑惑がある斎藤元彦兵庫県知事に対し、辞職を求めることもあり得ると維新共同代表の吉村洋文大阪府知事が踏み込んだ。県議会で今日ある斎藤知事の証人尋問の内容次第らしい▼知事選で自民とともに斎藤氏を推した維新は「まずは真相究明」と静観していたが、大阪府箕面市長選で維新系現職が敗れ、兵庫の話が響いたと慌てたらしい。焦点は報道機関などにパワハラなどを告発した元部下を知事が「噓(うそ)八百を流した」と断じ懲戒処分にしたことの適否。告発つぶしを狙い不当に大なたを振るったなら、次なる刃(やいば)は当人に向かう▼辞書によると、維新は世の中が改まりすべてが新しくなることで中国の『詩経』の<維(こ)れ新たなり>に由来する。知事を新たにするほかなしと各党が傾くのか、注目の尋問である。
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