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今日の筆洗

2021年01月28日 | Weblog

 百人の村の三十人は子供で、七十人が大人。六人で富の59%を所有していて、二十人で富の2%を分け合う。二十年ほど前に話題になった『世界がもし100人の村だったら』が、えがいた世界の縮図である。富の偏りに驚き、気付かされた覚えがある▼世界の新型コロナウイルス感染者が、一億人を超えたという。世界の八十人に一人以上の計算は、百人の村に例えると、感染したことのある人が一人、少し前からいたことになる▼「たったの」ではないだろう。二カ月半あまりで倍増しての数字である。二人目を防ぐ必要に気付くのが、よさそうである▼世界のワクチンの接種率は0・8%という。日本もこれからだ。村には、まだ一人もいない。人口の六割が抗体を持つことで集団免疫は得られるという説もよく聞く。単純な計算は乱暴なのかもしれないが、六十人か。感染で抗体のある人を含めても先は長そうだ▼欧州などでワクチンの供給遅れが問題になっている。村の富のように接種をめぐる格差が生まれないかも気になる。「感染者一億人」が描く世界像は厳しい▼「億万を知らんと欲せば、すなわち一二を審(つまび)らかにす」という故事がある。多くを知りたいのならば、最初の一、二を詳しく知ることである。億に至った感染の始まりも、まだ詳しくは分かっていないコロナ禍である。百人で立ち向かうべき相手であろう。


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