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今日の筆洗

2023年12月06日 | Weblog
 宮沢賢治の詩、「雨ニモマケズ」。冒頭の<雨ニモマケズ/風ニモマケズ>も印象的だが、後半に魅力を感じるという方も多かろう▼<東ニ病気ノコドモアレバ/行ツテ看病シテヤリ/西ニツカレタ母アレバ/行ツテソノ稲ノ束(たば)ヲ負ヒ>。弱った人のため、自分は東西南北どこへでも向かおうという献身の心を示し<サウイフ(そういう)モノニ/ワタシハ/ナリタイ>と願う▼詩とは正反対の状況を憂う。もちろん、作戦は人質を取り戻すためだとイスラエルは主張するのだが、その攻撃は人の痛みを知る<サウイフモノニ>とは遠い。パレスチナ自治区ガザ。戦闘休止は短期間に終わり、イスラエル軍はガザへの攻撃を再び強める。中心は南部である▼10月の攻撃開始当初、イスラエル軍はガザ北部の住民に対し、南部に避難せよと勧告していた。そして今度は避難を勧めたはずの南部を空爆し、地上戦を展開する。グテレス国連事務総長の言葉を借りれば、「安全な場所はどこにもない」▼死者は1万5千を超えた。約4割が子どもという。<南ニ死ニサウナ人アレバ/行ツテコハガラナクテモイイトイヒ>。逃げ場を失った南部住民を慰め、励ます言葉が見つからない▼もう一度、戦闘休止の糸口をつかみたい。<北ニケンクワ(喧嘩)ヤソシヨウ(訴訟)ガアレバ/ツマラナイカラヤメロトイヒ>。世界は祈るしかないのか。
 
 

 


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