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今日の筆洗

2024年02月15日 | Weblog
頭に大けがを負った貴族がいた。頭の骨を修復するためにある動物の骨を使った。死んだイヌの骨だそうだ。1682年、ロシアでの手術で記録に残るものではこれが動物の身体の一部を人に使った最初のケースらしい▼手術は成功したが、イヌの骨を体に入れることをロシアの教会が認めなかった。破門すると警告し、貴族はやむなく移植片を除去したと伝わる▼無論、当時とは事情は大きく異なり、動物の臓器を人に使う「異種移植」への期待は高まる一方である。腎臓などの移植を希望する患者が増える中、人の臓器提供は不足している。もし動物の臓器が安定的に使えれば…。日本のベンチャー企業が人に臓器を移植するために遺伝子改変したブタ3頭を誕生させることに成功した。国内初という▼「異種移植」の最大の壁は人に移植した際に起こる拒絶反応だそうだ。今回、拒絶反応の起こりにくいブタの細胞を米国の企業から輸入し、クローン技術で誕生させた▼人への「異種移植」のドナーにブタが選ばれやすい理由は臓器の大きさが人に近く、生理機能も似ているためという。食用動物であり、サルなどに比べれば倫理的な抵抗感も比較的少ないこともあるそうだ▼生まれたブタの赤ちゃんの写真を見る。医療の発展に貢献し、人の命を救う道を切り開くのが役目なのだと分かっていても、申し訳ない気持ちにもなる。