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今日の筆洗

2024年02月07日 | Weblog

六つの花、玉塵(ぎょくじん)、風花、銀花…。いずれも古くから伝わる雪の別名である。六つとは雪の結晶が六角形であることからきている。いずれの名も美しく、趣があるが、やはり雪に慣れない都会では積もればやっかいである▼南岸低気圧の影響で関東の広い範囲で大雪となった。東京の大雪は2年ぶり。高速道路は通行止め、転倒事故も相次いだ。都会はあいかわらず、雪に弱い▼昨日の朝、積もった雪に足を取られ、難儀した方もいらっしゃるだろう。楽屋話で恐縮なのだが、雪の降った月曜日は交通障害に備え、小欄の締め切り時間も大幅に繰り上げ。少々、焦る▼「やれやれ」と思いつつ、珍しい雪に心のどこかで少しわくわくするところもないではない。「犬の伯母」をふと思い出す▼これも江戸期からある、雪の別名。おこづかいやお菓子をくれる伯母さんがたまに家にやってくれば子どもは大喜びするもので、犬には雪がうれしい「伯母さん」なのだという意味だろう。雪が珍しい都会で暮らす者は犬のはしゃぐ気が少し分かる▼「伯母さん」の到来に早朝に雪かきに挑んでみる。楽しいと思ったのはつかの間のこと。わずかな雪かきに腰と背中が痛みだし、シャベルを放り出す。こんなこと、連日したくないと雪国の苦労を想像する。ましてや、震災直後の能登では。雪にはしゃいだ犬は尻尾を振るのをやめ、しゅんとする。