東京新聞寄居専売所

読んで納得!価格で満足!
家計の負担を減らしましょう!
1ヶ月月極2950円です!
アルバイト大募集中です!

今日の筆洗

2024年02月08日 | Weblog
「残業か? けっこう、けっこう。稼ぐに追いつく貧乏なしってね」-。まじめに働いてさえいれば貧乏は追いつけず、暮らしはよくなる。映画「男はつらいよ」の寅さんがこの「稼ぐに追いつく」をよく口にする。寅さんに言われても説得力はないか▼「追いつく」というからには生活を悩ませる「貧乏神」は後ろからやってくるものなのだろう。こんな落語のクスグリがあったのを思い出す。「稼ぐに追いつく貧乏なしだよ」「いや、オレんとこの貧乏神は足が速くってね。先回りして待っていやがる」▼これも足の速い「貧乏神」の話か。2023年の毎月勤労統計調査(速報)によると物価変動を考慮した実質賃金は前年比2・5%減。2年連続のマイナスである▼たとえるならば「物価高」と「賃金」が暮らしというレースで競っている。現金給与総額は1人当たり月平均で1・2%増だから、成績は上がっている。ただ、物価高の勢いの方がそれを上回り、結果、名目賃金は追い抜かれてしまい、暮らしの負担は重くなる▼総務省の調査では1世帯当たりの月額消費支出は2・6%減。「賃上げを追い抜く物価高あり」では財布のひもを固くするしかない▼このレースで、賃金を大声で応援し、景気の好循環をつくりだすのが政府の仕事なのだが、結果が出せない。政権不人気の理由はなにも裏金問題ばかりではあるまい。