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今日の筆洗

2023年07月11日 | Weblog
一九六九年の大相撲三月場所といえば、横綱大鵬、戸田(後の羽黒岩)戦の世紀の大誤審だろう▼連勝記録のかかる大鵬に軍配が上がるも物言いがつき、結果、行司差し違えで、戸田の勝利。大鵬の連勝は四十五で止まる。ところがである。ビデオで確認すると戸田の足が先に出ている。大鵬としては荒れたくなるところだが、この時のせりふがいい。「横綱がああいう相撲を取ったのが悪いんだ」。物言いがつくような相撲を取った自分に非がある…▼相撲ではなく戦争であることは理解している。が、どんな手でも敵を倒せばよいというわけではなかろう。そう、バイデン米大統領に物言いをつけたくなる。米国はロシアとの戦闘が続くウクライナにクラスター弾を供与する方針を決めた▼ウクライナの反転攻勢を援護する狙いは理解しても親爆弾が大量の子爆弾をまき散らし、市民が犠牲になりやすい「非人道兵器」である。全面禁止を求める国際世論に背を向けた供与にはうなずくことはできない▼市民の犠牲に加え、心配なのは今回の供与を理由にロシアがクラスター弾の使用をためらわなくなる危険があることだ。さらに残虐化すれば、その先にある核使用にまでつながらない保証はどこにもなかろう▼クラスター弾の使用に反対する英国などとの連携にも陰りが出るおそれもある。供与決定に行司差し違えの判定を待つ。