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今日の筆洗

2019年11月28日 | Weblog
  何十年後かのテレビのクイズ番組なら次の問題は回答者を戸惑わせるかもしれない。「さて二〇二〇年の東京五輪、スポーツ大国ロシアは何個のメダルを獲得したでしょうか?」▼最終決定ではないが、どうやら答えは「ゼロ」ということになりそうである。世界反ドーピング機関(WADA)はロシアに対し、国ぐるみによる検査データ改ざんがあったとしてロシア選手を東京五輪・パラリンピックや世界選手権など主要大会から四年間、除外する処分案を発表した▼国際オリンピック委員会(IOC)もこれを支持する構えで最終決定となれば、個人としての出場は認められるが、国としての参加はできない。いかに優秀な成績を残そうとも国旗の掲揚も、国歌の演奏もない▼さて、次のクイズは難問である。「いったいなぜロシアはドーピング不正と手が切れないのでしょうか?」。前回のリオ五輪でもドーピング問題で締め出されかけたのに、またデータ不正とは懲りていない▼拳銃に一発だけ弾を込め、弾倉を回し、自分に向けて引き金を絞る。運が良ければ、弾は発射されない。ロシアが興じているのは、かの国ゆかりの「ロシアンルーレット」なのだろう▼不正をしても、運が良ければ…。愚かな賭けである。結果、痛恨の弾が自分自身に向かって発射され深い傷を負う。「不名誉」という名のその傷は治りにくいのに。