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今日の筆洗

2019年11月13日 | Weblog
一九八五年に売り出した時の商品名は「缶入り煎茶」という少々、味気ないものだったそうだ▼数年後、テレビCMの中で俳優が口にしたせりふをヒントに商品名を変えた。そのとたんに、売り上げが二倍になったそうだ。伊藤園の大ヒット飲料「おーい お茶」である▼話し言葉を使った独特の名が消費者の印象に残りやすく、親しみやすかったか。商品名の覚えやすさや好ましさは売り上げを大きく左右するものなのだろう▼これとは正反対で、既に広く認知されている名前をやや分かりにくいものに変更するらしい。何かといえば豚コレラ。農水省は感染が拡大する「豚コレラ」の呼称を「CSF」に変更する方針という。アルファベット三文字は正直覚えにくい▼豚肉への風評被害を防ぐ措置だろう。豚コレラは人に感染しないが、その名に人の感染症である「コレラ」がある。これが災いし、消費者にいらぬ不安を与えやすいと考え、国際的に使用される「CSF」(CLASSICAL SWINE FEVER=古典的な豚の熱病)の方を選んだという。養豚業者を思えば、分かりにくい改名ながら理解はできる▼残念ながら名を変えても感染力の強さは変わらない。名からコレラが消えたことで、警戒や世間の関心が薄れるようなことがあってはなるまい。注意し(C)真剣に(S)感染を防ぐ(F)とでも覚えるか。