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今日の筆洗

2017年08月28日 | Weblog

 小学校などで授業の始まりや終わりを教えてくれるチャイム音。地域や年代によってチャイムの音はさまざまだろうが、おなじみは「キンコンカンコン キンコンカンコン」のあれといえば、音符を示さずともお分かりいただけるか▼なんでも英国の国会議事堂の大時計(愛称ビッグベン)の鐘が奏でるメロディーからの拝借と聞いたことがある▼戦後、東京の中学校が導入したところ全国に拡大。米国の学校などでよく耳にする、けたたましい非常ベルのような音に比べれば、なるほど「キンコンカンコン」は耳や心に優しく、そんなところが受け入れられたのかもしれぬ▼そのビッグベンの鐘。修理の作業員の耳を守るため、先週から当分、鳴らすのをやめたそうだが、こっちの「キンコンカンコン」は、その日が来れば必ず鳴る。夏休みの終わりを告げる「キンコンカンコン」である。地域によってはもう鳴ったところもあるだろう▼残念ながら、新学期の到来を告げるチャイムが耐えきれぬほど重く暗く聞こえる子どもがいる。内閣府の調査によると過去、新学期が始まる地域の多い九月一日は十八歳以下の子どもの自殺が最も起こりやすいという▼悩む子どもは大人に助けを求める「キンコンカンコン」を鳴らしているはずである。ただ、その音は極めて小さい。感度の良い耳を備えたい。大人の夏の最後の宿題である。