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今日の筆洗

2017年08月20日 | Weblog

 米国の小売店の棚には「雨」があふれているという。洗剤から美容製品まで、「雨」と名のつく商品が、ずらりと並んでいるそうなのだ▼洗濯洗剤は「爽やかな雨」で、柔軟剤は「よみがえる雨」。体を洗うためには「純粋な雨」というせっけんがあり、シャンプーは「白い雨」、男性用の制汗剤は「花崗岩(かこうがん)の雨」で、女性用は「雨にキスされた睡蓮(すいれん)」…と、雨ばかり▼人類と雨のかかわりを描いた『雨の自然誌』(河出書房新社)によると、一九七〇年代までは、米国でも「花」の香りが洗剤などの主流だったが、ここ三十年ほどで「雨」を思わせる香りが人気となった。米国では雨が新鮮なイメージを喚起するからだというが、日本で洗剤のたぐいに「よみがえる雨」と名付けたら、悪い冗談だと思われるだろう▼それにしても、本当に悪い冗談のような空模様。東京都心ではきのうまで連続十九日、仙台では二十九日も雨が記録された。仙台のここ二十日間の日照時間は平年のわずか五分の一だというから、望まれる洗剤の名は、「よみがえる陽光」だろう▼子どもの詩を集めた『ことばのしっぽ』(中央公論新社)を開いたら、山梨県の五歳の子が書いたこんな詩が載っていた。<もしもし/こうふけいさつしょ/ですか/くもをたいほしてください/あめをふらせてこまります>▼くもの容疑は「なつやすみどろぼう」か。