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今日の筆洗

2016年08月22日 | Weblog

  抱腹絶倒の逸話を数多く残す古今亭志ん生さんだが、これが最も、その芸や人柄がいかにひいきから愛されていたかを物語っているだろうか。長女の美濃部美津子さんが書いている▼新宿、末広亭。どこかで飲んできて、ちょうど酔いが回ったころに高座に上がった。「えー」と言うと下を向き、そのまま寝てしまった。誰かが起こそうとしたところ、お客さんが止めた。「いいよいいよ、寝かせておいてやんな」。寝ていようが、そこにいるだけで、ありがたい▼この方たちもそういう「いるだけで」の存在だったにちがいない。年末の解散を発表したアイドルグループのSMAPである。発表から一週間余。リオ五輪での日本選手の活躍に何とか寂しさを紛らわせていたファンも多いだろう▼今年、結成五十四年のローリング・ストーンズにも危機はあった。一九八〇年代半ば、自分の可能性を試したいミック・ジャガーのソロ活動にキース・リチャーズが裏切りと批判した▼二人は当時四十代前半。SMAPのメンバーの年齢とも重なるが、それぞれ一人前の大人になったゆえの主張の違い、意地もあろう▼八八年結成と聞けば、活動期間はほぼ現在までの平成である。その歌は経済成長の期待できぬ日本の肩にオンリーワンでいいよとそっと手をおいてくれた。解散か。妙にことしは、寂しい秋風の訪れが早いようである。

 

古今亭志ん生の名言集になりますね