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今日の筆洗

2016年01月09日 | Weblog

 戦前の大投手、沢村栄治(巨人)は三段ドロップを投げた、中西太内野手(西鉄)の打球には、ボールの焦げる匂いがした-。こんな伝説を高齢のファンから聞くのは楽しい。見たかったと悔しくもなる▼ひとつ伝説を。ケン・カミニティ(米パドレス)は大柄で強打の三塁手。一九九六年か、こんな守備を目撃した。三塁線ぎりぎりの強いゴロを横っとびで捕球。勢い余って転倒したが、座ったまま一塁へ送球しアウトに。忘れられぬ▼悲しい選手でもあった。アルコール依存の過去。筋肉増強剤の使用。二〇〇四年に麻薬使用で亡くなった。四十一歳だった▼同じケンでも、こっちのケンは幸せだ。ケン・グリフィー・ジュニアさんが米野球殿堂入りを果たした。ほぼ満票での選出。増強剤がはびこった九〇年代の米野球界においても薬を使わなかったクリーンさへの評価だろう。しなやかな身体から放たれた打球は高く、美しくスタンドへ。これもひとつの伝説であろう▼そしてもう一人のケンである。ドジャースが前田健太投手の入団を発表した。実はケンの名がつく日本人選手は米国であまり実力が発揮できていない。高橋建、田中賢介、川上憲伸各選手。印象を残したのは城島健司捕手ぐらいか▼次のケンに期待する。チームカラーはカープの赤からドジャースの青へ。信号機なら「ゴー」と縁起を担いでみる。伝説を。