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メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

2007年07月23日 プロジェクト・シルフィードの敵空母

2007-11-30 21:04:00 | 設定画

 先月、シルフィードの無料ダウンロードコンテンツが配布されました。
チャレンジステージ6ミッションのタイムアタックや、クリアボーナスの
追加装備があります。
この内、敵空母を撃破するステージの空母が私のデザインになるものです。

 デザインは2005年6月22日のものなので2年も前に手がけた事になるわけです。
リテークの連続で、かなりご迷惑をかけた事を憶えていますが、こうして形に
なると苦労した甲斐があったというか、報われて嬉しくなります。

  ●敵空母
 打ち合わせのときに出たキーワードが、機動戦士ガンダムの空母ドロスでした。
我々の世代で宇宙空母と言うと、宇宙戦艦ヤマトの空母群やマクロス・ホワイトベース
等で、多少リアルな物としてドロスはそこそこ知られていました。
 しかし、このキーワードを聞いたとき私は嫌な予感がしました。米村氏の
手による空母アクロポリスの初期ラフを見たとき、ドロスの面影があったからです。
 この業界では、あるキーワードがパッと広がる現象があり、他の製作会社等で
同様の事があった場合、ネタのバッティングという最悪の形で現れてしまうのです。
 危険は避けるべきですが、私の杞憂かもしれません。そこで、ドロスのイメージ
を取り入れつつ、独自色も打ち出すという方法が唯一の道となります。

 既に敵戦艦のデザインが他のデザイナーさんの手によって出来上がっており
その上でのデザイン依頼でしたので、細部を合わせるのが前提でした。
 これに加えて、ポリゴン数の制限が厳しく、できうる限り単純な形を要求
されていましたので、デザインは最初から難航しました。

 エンジン部分と船体のパターン等を戦艦の物と合わせ、艦載機の発進口を
ドロスのイメージとし、双胴形式の間を平らな部分にして、多少空母らしさ
をだします。理屈の上で分かっていても、なかなか自分なりのまとめ方にならず
苦悶しました。製作会社の方々は、何を迷っているのか不可解に思った事でしょう。Photo_112

Photo_113

  •   

●敵空母 イメージラフ
 このラフは今描いた物です。イメージ的にはこちらの方が近いでしょう。
 とはいえ、実際にポリゴンCGにしてゲーム画面に登場すると、全く違うイメージ
になるのが当たり前で、デザイン画の作成に特別の配慮が必要になります。
 アニメ設定なら正確さより絵的なカッコ良さが許されますが、ポリゴンですと
立体的に正確な上に良いデザインを追及する必要があります。これは、CG製作者
の方にも経験と技量が必要になります。Photo_114

 立体を把握しやすい設定画は、カッコ良さという点からは物足りないもので、
絵的なアピールに欠けるのが、いつも困る所であります。

  • Photo_115

  ●敵空母 補稿
 補講が見つかったので上げておきます。
細部のディテールと構成図です。両サイドの船体は上下対称にして製作を簡単
にしてあり、面構成も極力分かりやすく簡単にしました。
そのため、テクスチュアーによって巨大感を出さねばならず、別稿としました。

宇宙空母はまだ実在せず、テクノロジー的に不明な部分が多く、細部は適当
になってしまいました。


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