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メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

コミティア148に参加しました

2024-05-26 22:11:18 | 同人誌


 本日は、コミティア148が開催され天気に恵まれて多くの人でにぎわいました。
私も新刊を作って参加しましたが、入稿が開催の3日前のぎりぎりになって肝を冷やし
ました。昨今の同人誌は3日どころか1日でもできるらしく、スピード化が加速してい
ますが、若い人たちはもっぱら電子書籍での購入が多いようです。それで、今回の新刊
は電子書籍での販売を申し込んだのですが、ちょっとトラブルがあってまだ開始されて
いないようです。
 イベントの方は、コミティアらしく序盤は人がまばらで少しずつ人が増えて行って、
みんなゆっくりと見て回っているようでした。昔の知人とも話ができました。このイベ
ントはこういう部分が主体で売る方は二の次といった具合です。しかし戦車関係の本が
少し売れて、二時ごろには完売しました。そのおかげで経費はペイできたようです。
もともとそれほど売れないイベントと思って無理にもっていかなかったので、もう2割
増しでもって行っても良かったかもしれません。

  

 毎回、コミック本は何らかの進化を目指して勉強していますが、今回は昨年末から5
月を目指して、アイディアから完成までの一貫したシステム化を目指しました。
 システム化などと言っても漫画作家の方はすでにリアルでやっていることを、理屈で
追及しなければならないのが現在の私の境遇です。まず様々な漫画ハウ・ツー本を読ん
で、漫画制作のノウハウを抽出して、手順を考えました。私にとって必要だったことは
アイディアだけでは漫画は成立しないので、どうしたら人に読んでもらえる漫画になる
のかという点でした。実は私自身には漫画を通しての友人はほとんどいなかったので、
そういう部分が欠落していた訳です。

  

 どの参考書を読んでも大切な部分はドラマだと書かれています。しかし、ドラマとは
いったいなんなのでしょうか。そして実際に漫画を描くのであればもっと詳細なノウハ
ウも必要です。そういう分析に2か月ほどを要して、プロットを描き始めました。
 某出版社で30年ほど漫画編集者をした方が書いた、映画を元に解説する漫画の書き
方指南の本があり、信ぴょう性があるのでそれを元にしてプログラムを組み立てること
ができました。その本では、登場人物を3名に絞り、そのかかわり方でいくつかの類型
があると言います。僕は、アイディアを思いつく段階までは比較的早いのですが、そこ
から先がうまく行っていなかったので、アイディアをドラマに結びつける方法を重点的
に考えてみたのです。

  

 その結果、ある程度高い確率でドラマに結びつけることができるようになりました。
プロットというのは話の骨格であって、実はドラマそのものではないのです。プロット
はあくまで話の流れであって、そこにキャラクターの感情の注釈をつけることでドラマ
になると知りました。そして読者は、主人公の感情の流れが理解できなくなると読むの
をやめてしまうとも書かれていました。実際その通りだと思います。
 漫画の主人公の感情の流れとしてのストーリーが最も重要であり、それはシンプルな
ものなのだと分かりました。この場合の感情の流れとは、単にびっくりするとかがっか
りするとかだけではなく、悲しんだり怒ったりして最終的に考え方に変化をきたす所ま
で描ければ成功ではないかと思えます。ただ、面白い事にヒーローにはこの手の変化が
ないのだそうです。ヒーローの目的意識は常に揺るがず、物語の中で一貫しているので、
それに変化を求めるとすれば、成長物語とのアレンジになるという事です。
 こうしたノウハウは、ある程度長い経験がなければ抽出できないものなので、経験が
ある方が書いた参考書をいくつも読んで見つける努力を惜しみませんでした。もちろん、
自分でもたくさんの映画やアニメやドラマを見て、それが正しいのかどうか、同意でき
るものなのか、よく考えました。

  

 3月に一つのプロットを描いた後、もう一つのプロットにかかり、今回はそれを漫画
に仕上げました。話を作る練習という意味では、何回でもプロットを作ってみたかった
のですが、やはり最終的に完成品に至らなければ練習の意味がないと思われたのです。
 実際に、漫画を描いて印刷して本になったものを読んでみると、何か印象が違ってい
て、細かな修正のノウハウが必要であることが実感できます。前回の失敗から、今回は
絵の密度を高めて細い線で描くのが良いと分かったので、それを試しました。
 また、1ページ内のコマ数も平均で2コマ増やして、1コマ分の面積が狭くなる所を
線の細かさでカバーするようにしました。印刷代をかけて本を作るのですから、いい加
減な物は作れません。出来上がった本に初見でだめな印象があれば、それを良く覚えて
おいて、次で修正する材料にするのです。今回見つかった修正事項は、フォントのポイ
ントが大きいという部分です。また、ところどころに粗さが目立つ部分があり、そこに
なにか細かい小物を書き込んだらフォローできたのでは、という勘所もつかみました。

 

3時にはブースをたたんで出張編集部へ行って、意見を聞こうとしたのですが、時間
が終わり際だったせいかあまり熱心ではない編集者に当たってしまい、突っこんだ意見
聞けませんでした。若い方だったので漫画に対しる見方も違ったようで、表面的なアド
バイスをいくつかいただいたのみで、内容云々までは聞けなかったのです。
 それではあまりに扱いがぞんざいだと感じたので、こちらからどうしたらよいのかと
聞いてみたのですが、漫画の文法を理解してト書きに頼らず絵で表現するようにと言わ
れました。私の方からはその編集者が読む気をなくしているのが良く分かりましたが、
そういう人にも読ませるのが漫画の文法だと良い方へ解釈しました。なぜなら、漫画は
たいていの人が暇なときに読み捨てにするものなのですから、難しい話を読ませるには
よほど巧みなやり方でないとだめではないか、と思うのですが。
 ただ、今回は絵はそこそこ描けていると言われたのでそこはプラス要素でした。毎度
のこと僕のコミックはお客が手に取る事もなく素通りして行くことが多く、意見すら聞
けないので、今後も編集者の意見は大なり小なり参考にして行けると思えます。
 時間がないというので余裕のある他の出版社の編集者に聞こうとも思いましたが、そ
の後の事もあったので切り上げることにしました。時間はちょうど4時でイベントの終
了の時間だったのです。

 

 面白い事に、こうして一貫した作業をしてみると、一話完結のアニメが良い教材にな
ることが実感できたのです。今回の僕の場合、モノクロアニメの鉄腕アトムでした。
ネットで無料公開していたので視聴してみると、SFのアイディアを毎回うまくドラマに
織り込んでいて、当時の人気の高さがこういう所にあったのではと思えたのです。
 今後も映画やアニメの視聴は続けて行こうと思います。そしてできれば漫画を読む事
も増やして行きたいと思いました。現在私は週刊漫画誌はほぼ読んでおらず、単行本を
買うのも1ヵ月に一冊くらいなものなのです。編集の人からあまり漫画を読んでいない
点を指摘されたので、何とかしたいと思います。 

 次の漫画本は半年先になると思いますが、その間も何らかの下準備はして、今回の本
からフィードバックできる部分は最大限活用したいと思います。
 


 
 

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