T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

銃器の設定 3

2008-02-25 00:26:53 | 設定画

 銃器の設定を書くときに、根本的なアイディアから考える場合があることは

以前、銃器の設定の項で述べました。今回はその例について紹介します。

 そして物によっては、それが外部へ影響をあたえることもあります。

今回の場合、その判断はご覧になる皆さんにゆだねましょう。

Photo

  •  

 ● グレネード・ガン ラフ

 宮武一貴氏が新たにデザインしたパワードスーツのために、武装のバリエーション

を増やす為に考えられたデザインです。このアイディアはゲーム世界にありがちな

無限に撃てる銃器の要求に対して、ささやかな抵抗を示したものです。

 図のようにチューブ内に弾丸が5発装填されており、スプリングで後方の機関部へ

送られます。1チューブを撃ちつくすとストッパーが外れ、ゼンマイバネによって弾装

自体が1/6回転し、次のチューブが機関部へ弾を供給する仕組みです。

 平成10年4月10日の日付があり、このアイディアは採用されず眠る事になります。

ゲーム自体も製作会社間のトラブルで製作中止になり、その後会社も倒産しました。

Photo_2

  •  

 ● ショットガン ロング

 のちに上のアイディアを引き継いで、この設定が描かれました。

弾装チューブは控えめに四本になっていますが、作動原理自体は同じです。

このゲームも製作会社が売り込みに失敗して製作中止となり、設定は日の目

を見ずに今日までお蔵入りとなりました。

 さて、先日ある筋から以下のショットガンの発表があったことを知りました。

SRM Arms High-Capacity Model 1216 Rotary-Mag Semi-Auto Combat Shotgun

http://www.defensereview.com/modules.php?name=News&file=article&sid=1095

ロータリーマガジンのショットガンとあります。これはおそらく、私のアイディアとほぼ同じ物

ではないでしょうか?

Photo_3

Photo_4

  ● セミ・ブルパップガン

 と名付けましたが、実際のところ名称がどうなるか分かりません。

と言うのも、上のアイディアと同じく、同一の作動原理の銃が先日発表されたからです。

 設定自体は、ショットガンと同じゲーム企画のために描かれた物で、外見は普通の

銃器に見えます。しかし、銃器に詳しい方が良く注意して見れば分かりますが、銃身

が、かなり後方にまで延びており、内部構造が特殊な状態になっている事が分かります。

Photo_5

Photo_6

  ● セミ・ブルパップガン アイディアスケッチ

 左上が平成12年10月23日の初期スケッチです。これは重機関銃のベルトリンク

から弾丸を引き出す機構から思いついたもので、簡単な概要をメモしたものです。

少しでも銃身の長さを稼ぐ為のみならず、私独自の考えに基づいて、ブルパップ形式

は銃口の跳ね上がりを押さえやすいという特徴を具現化したものです。

 弾丸はマガジンから後方へ抜き取られ、ショットガンの機構のようなキャリアーに

よって上に持ち上げられ銃身に装填されます。この時点で、マガジンから弾丸を

引き出す方法と押し出す方法の二つを考えています。

Photo

  ● 発射サイクル

 発射サイクルを具体的に考えました。一応、押し出し式を元に描いてありますが、

引き抜き式のほうが銃機関銃のメカを応用できると思います。

 こちらの銃器についても、先日よく似たものの発表がありました。

The Boberg XR9 Introducing the world's most powerful 9mm pocket-sized pistol.

http://bobergengineering.com/cross-section.htm

 ほぼ同一の作動アイディアです。若干異なるのは、私が銃身をもっと後方へ

延ばしたために、作動方式がガス圧になってスライドが二つになっている点でしょう。

 勿論、このアイディアも本日が初公開となります。個人的にも他人に解説したりは

していません。

 一体、どういった経緯をたどって情報が流れたのか、非常に興味のあるところです。

ご存知の方は通報もしくは書き込みでお知らせ下さい。

 ただ、ここで一つ明らかにしなければならないのは、私の態度と立場です。

私は、上リンクで示された銃器会社を告訴しようとか難癖を付けようとか言うわけではありません。

私の所有するアイディアを盗み、流通させた不法行為にたいして嫌悪を抱いているのです。

彼らの行為は私に不利益を与えるばかりか、クリエーター間に不信と対立をはびこらせるものです。

今後の創作者たちの正常な進歩発展を考えると、彼らのような不法行為は厳しく断罪されるべき

行為であると考えます。

 この項で示された物意外にも、多くのアイディアや個人情報が不法に持ち去られた形跡があります。

それらは、今後もおりに触れ公開してゆく予定ですが、不法行為の断罪については、ご覧の方々の

御協力を切に望むものであります。

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ガングリフォンの戦車

2008-02-16 22:04:09 | 設定画

B

陸上自衛隊の新戦車が発表されたので、戦車の設定を紹介します。

上図は、没になったゲーム企画のために描かれたもので、「戦車と詩」

に貼ってあるやつです。TK-Xにちょっと似てますので。

 ガングリフォン・アライドストライクでは二輌の戦車を新しく設定しました。

ゲーム世界の舞台は未来のミャンマー。敵として登場する兵器は、先進国

から見れば既に過去の二線級となった兵器が中心で、登場する戦車には、

その微妙な背景が投影される必要がありました。

T10

T10_2

  ● ロシア輸出戦車 T-10

 2002年当時、集められる限りの資料を元に、ロシア的な戦車を考えました。

飛来するミサイルを迎撃する近接防御システムを搭載し、砲塔のバスルに

自動装填装置用の砲弾を備えます。

 前述の事情で革新的な設定はされておらず、普通のロシア的戦車に見える

ように描かれています。

Photo

Photo_2

  •  

  ● 中国 6式戦車

 当時中国は様々な戦車のバリエーションを開発し、躍進期にありました。

ソ連から供与された戦車のコピー生産から脱し、独自のデザインを持った

戦車が登場していました。

 ゲームの製作現場では、過去に作ったポリゴンモデルの使いまわしが出来

ないかと相談されており、右図の提示がありました。

 そこで、若干の修正と追加で再使用できるように答えたのが、この設定です。

縦に長い砲塔のポリゴンモデルを、後ろをバスケットと解釈すると同時に、各種

センサーやキューポラを追加して中国戦車らしさを演出しました。

  • Photo_3

  ● 戦車撃破 ラフ

 宣伝用のカラーイラストのラフです。

このゲームでは、戦車は撃破されるターゲットであり、脇役にすぎません。

いつか戦車が主役のゲームに携わってみたいものです。

  • Photo_4

   ● 半固定レーダーサイト

 おまけです。

 旧式に見える設備を要求されて、牽引式のレーダーを描きました。

このゲームでは他にいくつもの車両や設備を描きましたが、それらは

またの機会にいたしましょう。

 こう言う味のあるデザインも好きなのですが、ゲーム画面に反映され

るケースは少ないです。

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人物の設定

2008-02-14 00:03:13 | 設定画

 昨日まで、新規の仕事をしておりました。

このブログの初期の目的が新規仕事の獲得にあるのですが、ここに一応

目的を達したことになります。

 仕事は単発で純粋なメカの仕事ではないので、今後の発展を祈るのみ

ではありますが、ほぼ2年ぶりの仕事はさすがに有り難く、楽しみながら

させて頂きました。

  • Photo
  • Photo_2

   ● ガングレイヴ 傭兵

 以前にも似たような仕事をしたことがありますので、それを掲載します。

ガングレイヴODと言うTVゲームの敵側兵士の設定をしました。

東欧風傭兵集団という指定でしたが、そこそこコミカライズした設定を

要求されたのを憶えています。 

 この設定は、公式設定書で公開されています。

 Donnar   

Donnar_2

  •  

 ● ボディ-スーツのスケッチ

 これは、私的な漫画企画のために書かれたスケッチです。 

平成12年11月6日の日付けがありますが、今日が初公開になります。

どこかで見かけた場合、それは不正に流通したものなので、通報して下さい。

 今回の仕事はこれと上の兵士の中間のような設定を描きました。

 昨日は、某画像掲示板でこのブログに関するスレが立ったらしく、250

ほどの異例に多いアクセスを戴きました。これによって、何らかの発展が

あるとよいのですが。また、それとは別にガングリフォン系のサイトから多数

のアクセスがあり、管理者の方からもコンタクトをいただきましたが、なにぶん

6~7年以上前のことでもあり、対応に微妙なニュアンスを含んでおります。

 リサーチしてみますと、厳しいご意見の中にも評価される意見もあり、今後

の参照として大いに参考となる重要な機会となりました。関係者各位の方々

には、感謝いたします。

 それと、本日は陸上自衛隊の新戦車の公開がありました。そのデザインが

意外と今風で、かっこよかったのには驚かされます。機能的にも、革新的

な部分が多くあり、新時代の到来を予感させるものでありました。

 空自の技術開発のための機体・心神と言い、日本の兵器開発もまだまだ

捨てたものではないないようです。

 

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ノガホート クラーバ

2008-02-06 23:48:38 | 設定画

Photo_5

  •  

  ● ロシア四脚戦闘車 

 ガングリフォン・アライドストライクで唯一新しく登場する四脚AWGSです。

厚い装甲と多くの機材を搭載し、設定の上では飛来するミサイルを撃墜する

装備も備えています。車体に二名の乗員と無人砲塔を備え、実在の戦車が

そうであるように移動要塞のような雰囲気を出しました。

 名称のノガホートとは、ロシア語の「歩行」「車両」の直訳から作った造語で、

ゲーム上では使われていません。クラーバとは「蟹」クラブの事で、ブルータル

クラブなどの四脚AWGSとの共通点を考えて命名しました。

  • Photo_6  

  ● ロシア四脚戦闘車 三面図

 ご覧のように特殊な脚構造をしています。

 四脚歩行メカを考えた場合、前後の脚が干渉して歩幅が狭くなる

ため、移動速度や運動性が制約されます。この図ように、前後の脚

の長さを変えて干渉しないようにすれば、運動性能が向上するという

アイディアです。

 ローラーダッシュ等の手段に頼らない限りでは、かなりのスピード

アップが期待されました。

  • Photo_7

   ● 上下運動

 とはいえ、HIGH-MACS等の二脚AWGSに比べれば劣速の四脚

ですから、それなりの戦法で闘う必要があります。車高を高い位置から

低い位置まで素早く変化させる構造を考え、遮蔽物の後ろに隠れて

有効な装甲と火力で攻撃する、パックフロント戦法を示唆しました。

 実現していれば、面白いオブジェクトになったと思います。

Photo_8

   ● 細部 etc

 このように、脇役としては細かいディテールと性格付けをしましたが、

ゲーム上では単なるマトとして少ない登場回数しか与えられず、こちら

からの注文等は製作時間の制約から、断念せざるを得ませんでした。

 脚構造が未完成で練り直しが必要なのではと思う私の懸念とは、遥か

に違う次元でゲームの製作は進んでいました。

 私は、製作会社との長大な距離的隔たり以上に、ゲーム作りにかける

明らかな温度差のような物を感じざるを得ませんでした。

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