T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

近況 3

2009-11-16 23:53:53 | 日記・エッセイ・コラム

  去る11月15日、Ⅳ号Kの製作を終了しコンテストに出品しました。

  • Cimg0838

 

その朝、朝日が窓から入り、ベースの銘を照らしました。

● Ⅳ号K型 プラモデル

Cimg0812_2 Cimg0817

 塗装はエアーブラシで基本塗装をし、汚しは最小限にパステルの粉で描いた後

定着剤を振りました。 エアーブラシによる塗装はこの手のプラモデルでは初の経験

でしたが、時間も短く仕上がりもきれいにでき、上々の出来となりました。

 二色迷彩などの凝った塗装や、過激な汚し、戦傷によるダメージなども考慮

しましたが、架空戦車のコンセプトを見せるために、最小限の汚し処理にとどめ、

量産試作車的な雰囲気を出しました。

 あと、マーキングは忘れました。これは失敗。 バルケンクロイツくらい貼っておくんだった・・。

Cimg0814_3 Cimg0805

 車体の塗装は思ったより簡単でしたが、こまごまとした装備品はそうは行かず、

追加することになったものもあります。機銃の弾薬袋と円環型の対空照準器もそれで、

土壇場になって製作を決意しました。円環の直径は4mmで厚さ0.1mmのプラ棒を

細かく刻んでパーツを作切り出し、接着して製作しました。銅線による製作も考えましたが

治具の製作などが必要なため、一点ものの今回の場合短時間で作れる方法にしたです。

 また、走行中に主砲を固定するトラベリング・クランプも可動で製作しました。

Ⅳ号駆逐戦車のものを参考に、寸法に合わせて形を考えます。このクランプは主砲を

少し上にあげるとバネのテンションで前方へ倒れる仕組みなので、バネも再現しました。

Cimg0808 Cimg0835

 操縦室前の予備キャタピラはペリスコープの視界を妨げないように一片分短くしてあります。

ペリスコープ自体もガードの中の本体も可能な限り再現しました。資料をいろいろ調べて、

本体が厚い辞書位の光学機器であることを今回初めて知る事となりました。

 ベース固定がコンテストのレギュレーションでしたので、当初はキャタピラを金具で固定

することを考えましたが、結局ボルトに銅管のスペーサーをかぶせて固定し、回転しない

ようにキャタピラに両面テープを目立たないように貼ることにしました。コンテスト会場まで

箱に入れて運ぶ関係上、強固な固定を選択したのですが、実際、逆さにして振ってもびくとも

しませんでした。

 モデルは現在、秋葉原イエローサブマリン店頭に飾られています。審査結果は12月中旬

発表されるそうですが、自分としてはⅣ号K型の研究に一区切りついた事にほっとしています。

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Cimg0323   

 Y氏より連絡があり、いよいよ仕事が始るようです。

どのような仕事になるかは何年か後に結果となって発表される事でしょう。

 本ブログでは以降の更新予定について未定となっております。

しかし、15日に一般参加したコミティアでは相変わらず盛況な創作活動

を目の当たりにすることが出来ました。今後は、創作関連の向上もにらみつつ

再スタートを切ることになりそうです。

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近況 2

2009-11-05 20:07:02 | 日記・エッセイ・コラム

 Ⅳ号戦車の造形がひとまず終了しました。これから細かな手直しの後、着色作業に入ります。

 完成した作品は、現在受け付けている秋葉原イエロー・サブマリンの1/35戦車模型コンテスト

に出品する予定です。

http://www.yellowsubmarine.co.jp/event/event045_35con.htm

●Ⅳ号K型 プラモデル (1/35)

  • Cimg0719_b Cimg0677_b

 1/35スケールでは、細部を作りこむことによって重厚なディテールの表現ができる事

が確認できます。 他のモデルから流用する予定だったパーツをスクラッチすることになり

意外と時間がかかりましたが、ディテールの勉強にとても役立ちました。

 砲塔上の近接防御兵器はスジ彫りのみの表現でもよかったのですが、楕円の表現に

自信がなかったので、実物通りのバレルに相当する穴をピンバイスで開け、スペーサーを

プラ棒で作って挿入してあります。

 砲塔・主砲・ガンポートは可動しますが、ハッチの類は閉鎖固定としました。今回は

兵士のフィギュアーや車内ディテールを省略することを事前に決めていたからです。

Cimg0675_b Cimg0670_b

 砲塔のシュルツェンは装甲強化の結果必要なくなったと解釈して着けませんでした。

軽量化の必要もあると感じたので、無理に付けず、砲塔の形を見せようと考えたのです。

 車体の改造は前部に集中していますが、砲塔はほぼ全面に手が入っています。砲塔の

改造は75mmL70を表現していますが、俯角に制限を受ける他、砲塔リングの重量制限の

キャパシティーが不明なため、L48のままの案も考えてあります。その場合、以前のⅣ号

に近い外形になることでしょう。

 紙の上で考えていた時点では立体的にわかりにくかったため、モデリングの時点で

変更をする必要を感じた部分がいくつかあります。

 主砲、防盾形状や、砲塔右側の雑具箱の追加等です。砲塔のバッスル内には車長と

砲弾が入っていて、紙の上でデザインを考えている時は、キューポラと左右のバランスが

取れると考えていました。しかし、立体にしてみると不自然に見えたので、雑具箱を追加

しました。

雑具箱には蝶番と錠をつけて、ただの箱に見えないようにします。これは増加装甲の役割

も果たし、内側の砲弾の防御にも役立つはずです。

Cimg0672_b Cimg0723_b

 溶接跡、金属メッシュの使用は今回始めて挑戦しました。両方ともやってみると意外と

効果的で根気さえあれば楽しんで作業できます。

 他、数ミリほどの小さなパーツも巨大感の演出には効果的です。

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 Ⅳ号戦車の改造は本家ドイツでも計画されていました。その理由が意外とタイトな

生産上の理由によるらしいとわかりました。

 それによると、Ⅳ号の次期主力戦車であるパンターの生産が思ったほど順調に行かず、

またⅣ号の工場をパンターの生産に転換する余裕もなかったために、Ⅳ号の小改造で

しのげないか模索していたようです。

 Ⅳ号の生産が短期間でも停止すると、戦線が戦車不足で崩壊する危険性があったために

きわめて小規模の改造すらできなかったらしく、それは車体前部の形状変更を断念するほど

深刻な物だったようです。

 したがって、今回のⅣ号K型のプランも実現する可能性があったかどうか疑わしいと言えます。

車体前部の改造なら充分省力化されているので現実性はありますが、そこはH型のままでも

充分であったはずで、やはり砲塔前面装甲の増強案の別案が必要でしょう。

 Ⅳ号戦車のドイツによる改造案については大日本絵画から出版されている独モーターブーフ社

の分厚い本に紹介されているそうですが、あのシリーズは高額なので僕は重駆逐戦車の巻しか

所有していません(しかも古本)。一度手にとって見てみたいものです。

コメント (2)
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