毎年年末に今年の概観等書いているのですが、今年に関してはどう書いていいのか分か
らないと言うのが本音です。年の瀬のニュースに東京の感染者が1300人を超え過去最高に
なる見込みというニュースが流れ、どこそこの国でワクチン接種が開始されたというニュ
ースと交差します。
世界の感染状況は言うに及ばず、国家元首が感染したり病に倒れたりと言うニュースが
相次ぎ、表に出ない医療関係者の苦闘や一般社会の経済的打撃は取り返しのつかない所に
来ています。
その一方でK字回復なる言葉も聞かれます。環境の変化に伴って新しい需要が生まれ、
業績を伸ばしている業種があり、その反対に打撃を受けた業種とが明暗を分かつ形になっ
て上向きと下向きのK字を描いているのです。感染を避けるため人々が家に籠り、そこで
必要となった宅配やネット関連の需要が高まり、家で過ごす為にゲーム機が売れたり、リ
モートワークの為のパソコンや中古機材が売れたり、と、既に聞き及んでいるような生活
の変化が一挙に起こったわけです。
コロナ関連の記事でも書きましたが、これは人々の個別化であり分断です。この状況が
改善されるのは来年半ばから秋ごろまでかかるでしょう。また、こうした傾向はその後も
残って別な方向へと動くのではという観測もあります。東京オリンピックは条件付きで開
催される見通しですが、果たしてリスクがどれだけ残るのか不透明です。つまり、一年後
この状況が改善されていたとしてもコロナ以前の状況に戻るとは限らないと言えます。
一つだけ幸運だったと言えるのは、世界的な災厄の前に戦争をしているような状況では
なくなってきたため、本当に切羽詰まった状況でなければ敢えて隣国と争う事はなくなっ
たという事でしょうか。自国の感染者数を過小に発表している国の実情が明らかになりつ
つありますが、そうやって情報操作しても実情を変えることが出来ない以上、戦争による
混乱状況を避けなくては感染状況の悪化を招くばかりなのです。
どの国がこの混乱から一早く立ち直るのか? これは言うまでもなく全ての国が全力で
当たっている目下の問題です。私の見た所ではイギリスが一歩リードしているようですが、
変異ウィルスの感染が始まったと言う報も聞きます。日本も感染数や死亡数が少ないとい
うアドバンテージがあったものの、年末にきて医療崩壊の危機に直面しています。また、
ワクチン接種の開始が少し遅れていて、一般には早くても来年4月からと言われています。
これらの問題には半年後あるいは春の訪れるころには答えが出ているはずです。前述の
K字回復の結果、経済の地図がどのように書き換わるのか、また国別の優位がどのように
移ろいで行くのか。私は考える気になれません。
しかし、コロナウィルスの脅威が次はいつ来るのか誰にも分からない、という事を考え
ると、この新しい勢力図は固定化されるのではないかと思えるのです。なぜならそれ等は、
アフターコロナの新しい世界に順応した勢力だからです。
来年1月1日をもって日本では改正著作権法が施行されるそうです。私はそれが私にとっ
てささやかな追い風になってほしいと期待しています。