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メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

背乗り(はいのり)とは?

2019-08-30 01:53:32 | 日記・エッセイ・コラム


 前回の「日本のいちばん長い日」のあらすじで、青年将校が師団長を殺害して命令書を
偽造しクーデターの実行戦力を手に入れるという部分についてですが、このような成りす
まし行為全般に関し「背乗り(はいのり)」と称する事を知りました。と言っても最近で
は、特定の組織が構成員を潜伏させるため個人の日本国籍を乗っ取る行為が有名ですが。
 元々は旧ソ連の情報機関によって行われたとWikipediaに書かれていますが、長期的な
スパイ活動の為にこのような手段が常態化していたと考えられます。「日本のいちばん長
い日」のようなごく短時間の場合は、こうは言わないのかもしれませんが、巧妙な詐称と
その為にオリジナルの本人を抹消してしまうという手口はそのものではないかと思います。



 Wikipediaの記事の隅に、機動戦士ガンダムTHE ORIGINのシャア・アズナブルの出自が
背乗りであったことが描かれているとあります。原作の安彦良和氏はこれまで数多の歴史
長編漫画を描かれていたので、その辺りで得た知識が反映しているのでしょう。ファンの
側から疑問の声がないわけではありませんが、その辺りは物語の上のフィクションですか
ら僕は大目に見ています。



 ネット上では成りすましに関して多くの被害例がありますが、いずれも短期間の物です。
いわゆる特殊詐欺等もこれに当たりますが、かなり強引でずさんな手法であることは否め
ません。目的が刹那的な詐欺行為である上に足が付きにくいので、何回でも再犯可能な事
が反復される理由でもあります。
 実際の背乗りはもっと緻密で長期的に行われる慎重な犯罪で、大きな組織によるバック
アップが必要な事は準備の規模からいって想像がつきます。考えようによっては特殊詐欺
のような短期的な背乗りを大きな組織が行えば、非常に大きな効果が得られるのではない
かとも思えます。それはロシアがフェイクニュースなどで他国の世論をコントロールした
というニュースによく似ています。要は実物が目の前にあろうがなかろうが、詐欺的手段
は私たちの隣にいつもあるということでしょう。


  ────────────────────────────────────

 私の個人情報が反復して流されているかもしれない、という事をこれまで何度となくこ
のブログで書いてきた訳ですが、半年ごとにリセットがかかって直ぐに同じことが繰り返
されると言う注意喚起もしてきました。これが実際にどのような形態で行われて来たのか
情報提供が一切ないので私には判断が付きません。しかし長期的に行われている事、成り
すましによる詐称や詐欺に近いことが行われているらしいこと等から、これも一種の背乗
りなのではないかと言う疑念を持ち始めました。
 果たしていかなる組織の元に行われているのかという謎もありますが、形態とその期間
(30年に及びます)から考えて個人のパーソナリティーを合法的に乗っ取る行為である
と思えるのです。
 私自身がそれでも潰されないでいられるのは、年々新しい事を創造して自己のパーソナ
リティーを更新しているからであって、それこそが私の存在意義ではないかと考えていま
す。しかし、それならば毎年繰り返されるパーソナリティーの背乗りに対して何らかの規
制や取り締まり、あるいは情報提供があっても良いと思うのです。
 実質的な損害がないと言っても、私の人生が受ける損害は甚大で取り返しがつきません。
また、そのような前例が存在し続ければ大っぴらに模倣する背乗り犯も出て来るでしょう。
幸いにして私は創造性と言うものを持って生まれたわけですが、一般の方々がそうした犯
罪にさらされれば取り返しがつかない打撃を受けるのではないかと思えます。
 
 苦労して事業を起こしたり著作や新案を残したとしても、背乗りや成りすましが横行す
れば社会は犯罪を何とも思わない輩の思うがままになってしまいます。

 なお正式な意味での背乗りは「書類上は合法で改変なしに本人と入れ替わる事」だそう
ですが、ネット上では個人を特定する情報等を公開できないので、個人を示すパーソナリ
ティーを事細かに模倣して本人と入れ替わる事がこれに当たると私は考えています。
 
コメント (4)
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 2つの映画 「Z」(1969年)「日本のいちばん長い日」(1967年モノクロ)

2019-08-24 22:09:23 | 日記・エッセイ・コラム


 ここ数年ほどレンタルDVDで多くの映画を鑑賞しました。最新の映画より過去に話題
を聞いて記憶にとどめておいた映画を掘り起こしたものが多く、アニメもシリーズごと
観たこともあります。
 過去に見た映画を繰り返し観る事も結構ありました。最新の映画を見るよりリスクが
低い(時間を無駄にしない)という事もあり、良く使う手法です。

 次に紹介する2つの映画は過去に何回か見て、最近また見返したものです。
「Z」(1969年)「日本のいちばん長い日」(1967年モノクロ)
 
「Z」はDVDも出ていますが高価で入手困難なのでビデオをオークションで落札して鑑賞
しました。最初に観たのは90年代の終わりごろTVで放送していたのを録画して、その後
一回見返しています。存在を知ったのが比較的新しい映画(と言ってももう20年たって
いますが。)で、監督に関して今回初めて調べてみました。それによると大体似た様な
主題で政治的な革命や人権蹂躙に関して告発している作風が多いようです。
「日本のいちばん長い日」は、TVで子供の頃見た後、90年代の初め頃レンタルビデオで
見ています。知る人ぞ知る映画ですが、知識を得た後で改めて見てみると印象が違って
いて、見た意義は大いにありました。

 以下あらすじでネタバレを含みます。

 「Z」
 地中海沿岸の架空の国家(当時のギリシャがモデルになっている)で起きた、Z氏の
謀殺事件に絡む軍部の陰謀とそれを暴く予審判事の追及が主軸になっていて、首謀者が
特定され裁判に召喚勧告される所までがクライマックスになっています。事件の全容が
明らかになったものの、物語は突然の軍部のクーデターによって証人のほとんどが死亡
するという結末を迎えます。実在の活動家グリゴリス・ランブラスキ氏の暗殺事件を元
にしており、軍事政権であったギリシャでは上映禁止になっています。
 上記のようにこの映画はフィクションですが、かなりリアリティーのある内容であり、
アカデミー外国語映画賞を始め多くの賞を受けています。

 「日本のいちばん長い日」
 1945年の日本の敗戦に絡む8月14日から翌15日正午までの政府・天皇・軍部の動きを
史実に基づいて描いた映画です。
 物語は14日深夜に及ぶ日本政府の降伏決定の前半と、それを覆そうとする将校・参謀
のクーデター未遂(宮城事件)の後半部分に分かれています。演出による誇張はあるに
せよ、これがほとんど実際に起きたことだという点に驚かされます。
 史実に関して関心のある方は検索などして調べていただくとして、本作品ではクーデ
ターの方法に関して、軍部自体は統制が取れていて一部将校が実行部隊を動員する為に
師団長の殺害と命令書のねつ造と言う成りすましによって得た半日の叛乱(15日正午に
玉音放送が行われれば敗戦の事実は日本中に知れ渡るため)に賭けたという描写がなさ
れています。 
 現実には、日本の敗戦は半月後の9月2日戦艦ミズーリ艦上の調印を持って正式に成立
するわけで、それまで各所での局所的戦闘や混乱がありますが、日本人のほとんどが15
日正午の玉音放送が終戦の瞬間であるという認識を持っているのはご存じの通りです。

 二つの映画に共通するのは、軍隊による暴力によって物語が大きく動いていると言う
点ですが、それ以外の部分はかなり異なります。
 両作品とも軍事政権下であるので、このような暴力がまかり通るかのような印象を受
けますが、それは不法行為であって法や秩序の元に糾弾されるという描写があります。
 「Z」の場合、最終的には軍部の手による国家転覆によって水泡に帰すという結末に
なっていますが、「日本のいちばん長い日」では敗戦のリミットと虚偽の露呈によって
首謀者は自害します。
 これは、二つの国家に対して外圧が働いているかいないかの違いであると思います。
地中海沿岸の架空の国家では、まかりなりにも独立が堅持されていて隣国は静観するし
かありませんが、敗戦目前の日本という時点で進退は極まっていて、連合軍の攻撃の前
でクーデターを起こしても無意味な喜劇でしかないのです。
 この数式を監督はよく理解していて、「Z」のコスタ・ガブラス監督は「告白」「戒厳
令」と続く三部作を作り国家権力による非情な弾圧を暴いて行きます。監督自身の行動
と映画自体が密接なつながりがあり、世界に対して静観していてはいけないと訴えかけ
ているのです。「日本のいちばん長い日」の岡本喜八監督は、叛乱側の将校を狂気を秘
めた演出で描き、対する政府・指導者側は思慮に富んだ人物という対比を作り、何か抗
す事ができない時間の流れに七転八倒する青年将校と自害という結末を描き切っていま
す。ラストシーンで悠然と自転する地球を見せ、これは必然であると示しているのです。

 私が最初に両作品を見た時、悪を暴く予審判事役のジャン・ルイ・トランティニアン
がかっこいいとか、青年将校が騎馬とサイドカーで叫びながらビラを撒いて皇居横の空
き地でピストル自殺するシーンが怖い(当時小学生だったので)くらいの印象しか持っ
ていませんでした。
 この齢で知識と経験を得て観てみると、この映画は社会の縮図であって現在でも有り
うる事だと考えるようになりました。その時になってZの予審判事のように悪を暴ける
のか、三船敏郎演じる陸軍大臣のように一切の責任を負って腹を切れるのか、という点
は分からないのですが。少なくとも暴力や虚偽でころりと騙されて犯罪者の側に着くと
いう愚行だけは避けたいと思っています。
 
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    コミックマーケット96に参加しました

2019-08-12 23:51:01 | 同人誌



 本日はコミックマーケット96四日目が開催され、会場は多くの参加者で賑わいました。
私もコピー誌で新刊を作り参加しました。既にご存知の通り東京オリンピックに伴う会場
の都合で今年は4日間に分かれての開催となりましたが、大きな混乱もなく、最終日は暑
さもやや和らいでそこそこのコンディションとなりました。
 私はと言うと、夜勤も2年目ですっかり夜型となっていたので、時間を調整していたの
ですが暑さで寝苦しい夜ということもあって上手く行きませんでした。前日までコピー誌
の編集と印刷をしていましたが、今回の本は全精力を傾けるようなものでもなく、諸々の
事情から準備段階から上手く行っていなかったと言う事もあります。しかしコピー誌とし
ては多めの50部(16P)を刷り、100円で販売し、完売しました。

>

 体調は良かったものの暑さと持ち込んだ本の重さがのしかかり、売り場から一歩も動く
事ができませんでした。時間調整そのものは上手く行って、7:30開場の後8:00に入場して
10:00開始にはすべての準備は整いました。
 売上はそこそこの物で前回ほどではありませんでしたが戦車サスペンション百科の在庫
はほぼなくなりました。戦車サスペンションの本Ⅲの在庫は結構のこってしまい、帰りは
ちいさな段ボールに1個分を持ち帰る事になりました。意図的に総集編の制作を前倒しし
たのだから致し方ない所ですが、今後はこれの処分の仕方を考えねばなりません。
 コピー誌はセブンイレブンのコピー機で裏表印刷したのですが、ほぼ機械まかせで出来
の良い物が完成しました。どこの店舗でも何時でも作業出来て、時間もそれほど係らない
という利点があり、イベント当日の朝にはサイコパス読本も7部刷りました。そして、こ
ちらも100円で販売して完売できました。



 さてこれから先の同人活動ですが、ますます分からなくなってきました。移転は優先し
たいのですが同人誌をほっておけば売れ行きは下がるばかりです。漫画も描きたいのです
が、普通に描いてもほぼ相手にされないことも分かっています。



 何か打開策を探る必要があります。
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自転車の修理 22

2019-08-07 02:08:51 | 日記・エッセイ・コラム


 先週、左のペダルを縁石にぶつけて反射板を壊してしまいました。その場はそれで済ん
だのですが、しばらくすると右のペダルから異音が出始めました。なぜなのか?ともかく
グリースを注入してみましたが音は消えず、予備のペダル(一山1000円で落札したパーツ)
に付け替えてみましたが、それでも音は消えませんでした。
 となれば、考えられることは一つでボトムブラケットの異常です。以前散々手こずった
こともありベアリングのハウジングが千切れて音を出している事は容易に想像できました。
とは言え連日の猛暑でクランク周りの完全分解は難儀な作業です。



 幸い、以前の修理で使っていなかったベアリングが一個あったので、部品や工具の問題
はありません。あとは時間の問題です。夕方になるのを待って分解を始め、2時間程度で
修理を終えました。

 ボトムブラケット内の横穴

 はたせるかな、右のベアリングのハウジングは3つに千切れていてボールがグリースに
まみれて出てきました・・・数えてみると12個もあります。ボールの数は9個のはずで
すが・・・。どうやら余分な3個は前回の修理の時、ボトムブラケットの横穴にグリース
と共に入り込んでいた物のようです。今回の破損とは無関係ですが、なんとも奇妙なお話
ですね。

 ウレアグリースで塗り固めて再組立て

 しかし、縁石にぶつけたくらいでベアリングを壊してしまうのは、力の加わり方に異常
があったからではないかと考えられました。固着して外れなかった右ワンが予想外に削れ
ていて、変な当たり方をしてるのかもしれません。
 今の僕の能力では外して交換することができないので、なんとか方法を見つけたいもの
ですが。



 修理自体はうまくいって以前の無音の走りに戻りました。秋になって気候が落ち着いた
ら、サスペンションのヒンジの修理をしてみようと思っています。
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