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メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

デジカメ画像 4

2009-03-28 23:10:29 | 日記・エッセイ・コラム

   ● 艦船模型

 航空戦艦と関連のある過去に製作した艦船模型の画像を紹介します。

駆逐艦などの小艦艇が好きだったので、ちまちまと資料を読みながら模型を制作

していましたが、最終的には重巡洋艦四隻を作るに至りました。

 艦船の形状を理解するという意味合いから資料的性格が強かっので、無塗装

による完成がほとんどです。

 1990年代当時には艦船模型のほとんどが考証のなっていないディテールの甘いもの

が多く、アクセサリーも限られたもので精密技巧による自作を余儀なくされています。

 しかし最近ではそう言ったモデルのほとんどが新金型に更新され、素組みでも充分

観賞に耐え得る内容となった事は誠に喜ばしい反面、一寸寂しい気もいたします。

 ● 巡洋艦 利根

Cimg7524_b Cimg7523_b

  •  

航空巡洋艦として計画された利根型巡洋艦は艦首に4基の砲塔を集中し、艦尾は水上機

を駐機する場所に当てられています。中央の軌条を使って前方へ運ばれた水上機は左右

のカタパルトで順次発艦して、主に偵察任務につきます。

 このような艦は他国に少数しか例が無く、日本独自の艦種と言っても良いでしょう。そして

この例に習って巡洋艦「最上」も同様に改装されます。

 キット自体は当時から秀逸なモデルとの評判も高く、ほとんど素組の状態です。

 ● 巡洋艦 最上 (改装後)

Cimg7503_b Cimg7504_b

 利根のコンセプトを発展させた最上(もがみ)の飛行甲板です。左右のレールに乗せられた

計10数機の水上機は順次前方のカタパルトから射出発進して行きます。真中のレールは

水上機を載せて移動する台車を後へ戻す為のものでしょう。整然としたレールの構成は、

当時資料が無かった為写真から推定して製作しました。

 購入時キットにモールドされていたレールはでたらめで全く参考にならないものでしたので

削り落として平面に戻しました。レールを支持する台座はそれらしく並べてありますが、数や

形状が省略してあります。

 このような模型を制作した長い過程において、これが普通の艦上機を運用する艦であったなら

V型の飛行甲板になったであろう事を推測するのは容易であったと分ると思います。

  ● 巡洋艦 麻耶

  1. Cimg7514_b

Cimg7509_b Cimg7508_b

 巡洋艦 麻耶(まや)は改装によって対空砲火が大幅に強化されています。

三番主砲塔を撤去したのち、対空砲2基と機銃多数を増設してあります。麻耶の改装

を記した本には、艦橋前部の機銃台について触れられており、その効果を確かめるため

キットの製作に踏み切った記憶があります。機銃台は前方から飛来する敵機を撃つ

為にひな壇式に機銃を並べてあり、航空機からの視点(つまり模型を眺める自分の視点)

からそれが確認できるはずです。

 果たせるかな、5基の機銃は前方からよく見えます(つまり機銃の射界に入っている)が、

キットの製作は大変な難工事となりました。アオシマの旧キットは作りが非常に雑で、

ほとんどの部位を作り直すことになりました。

もっともこれは、当時の艦船模型を買い求めた年齢層が主に未成年であったことに関連

しているのですが。

 こうした反省からか、現在のアオシマの艦船模型は精密・正確を極めているようです。

 ● 駆逐艦 秋月

Cimg7556_b Cimg7552_b

 おまけです。秋月型駆逐艦は対空用駆逐艦として設計されており、独特の形状から

人気の高い艦船の一つです。主砲の長10cm砲は命中率の高さを期待された新兵器

でした。惜しむらくは当時のキットはそのディテールとはほど遠く、多くの労を費やす

必要がありました。

 マストトップには麻耶と同様の二一号電探を載せる予定でしたが、未装備になっています。

この電探(レーダー)は私の自作パーツの中でも自慢の一品で、独自の方法により製作されています。

材料は電気コードの中に入っている0.25mm銅線で、接着は瞬間接着剤です。

 機銃にはマガジンと防盾を付けて精密さを強調してあります。これは意外と簡単だったので

お奨めのディテールアップであります。

 機会があったら、駆逐艦などの小艦艇を紹介したいのですが、カメラのマクロ撮影が意外と

難しく、小艦艇は良いアングルが取りにくいです。少し研究の余地がありそうです。

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ぼくの考えた戦艦 (笑い)  2

2009-03-25 15:33:38 | スケッチ

 ● 航空戦艦 後方パース

Photo

 主砲発射の状態です。戦艦の砲戦は片舷に向けて主砲を一斉発射するのが基本的です。

このときの爆風はすさまじく、主砲口径によっては生身の人間は耐えられないと言われています。

爆風にさらされる艦載機も破損を免れないので何らかの方法で防御しなければなりません。

図のように、艦載機の発進するカタパルトを艦の後方に配置しましたので、主砲群との距離が

離れており、段差もあるので爆風はかなり軽減されると思われます。

甲板上の遮蔽シールドを立てれば艦載機はほぼ安全でしょう。あらかじめカタパルトにセッティング

しておけば、主砲の発射の間をぬって発進することも可能になると思います。

● 双胴空母のスケッチPhoto_2

航空戦艦に至るまでの経過を発表しておきます。これらのスケッチは本日初公開です。

例によって本日以前にこれらを見かけて場合、犯罪行為が関与している可能性がありますので

ご一報下さい。

 最初のスケッチは平成9年9月12日とあります。ただのアイディアを書き綴っただけで年代も

国もこれといった設定はありません。 ただ、このしばらく後にアメリカ海軍の次期空母の想像図

が公開され、同じ飛行甲板の配置だったのにはびっくりしましたが。

 ● 航空巡洋艦のスケッチ

Photo_3

 平成9年9月21日のスケッチ

 当時艦船モデルを作っていた影響で「利根」の改良発展の図になっていますが

実質的にはV型の斜め飛行甲板のアイディアを膨らませたものです。実際、これ

を描いていた時は他人に見せる事など考えていなかったのでいい加減なものです。

 胴体がいわゆる三胴形式になっていますが、後甲板を広く取るのに適している

と言う考えからで、高速を出せるかどうかはわかりません。

 中段の「計画時」の図は、日本の重巡洋艦の発展の延長線上にV型斜め飛行甲板

がある事を示しています。 実際、「利根」型や「最上」型の改装後はこのような配置

になっています。

 ● 対空母用高速戦艦

  • Photo_4

 平成11年10月4日のスケッチ

 大和型戦艦を元にV型飛行甲板が可能か試した図です。

砲塔を三つ船首へ集中配置し船尾をすべて飛行甲板に、煙突をカタパルト下へ移動

してみました。 この配置で艦載機の着艦が可能であるか、この時点では確信が

ありませんでした。

 その後、空母フュ―リアスの改装経過の記事を読み、これが不可能である事が

わかりました。

 ● 航空巡洋艦

  • Photo_5

 平成12年5月4日のスケッチ

 空母フュ―リアスは河川砲艦を改装した初期の空母です。そのプロセスは、最初に

艦首に飛行甲板を作り、次に艦尾に飛行甲板を作って橋で連絡するようにし、その後

艦橋を撤去して普通の平らな空母になると言う試行錯誤を経ました。

 船尾の飛行甲板が使い物にならない理由が、この実験によって分ったのです。

それは、艦橋構造物と煙突廃煙の影響で乱気流が起き、艦載機の着艦が不可能

と言うものです。パイロットは危険な操作で艦首の甲板への着艦を望み、事故も

起きているほどです。

 それらの記事を読み、私は艦首に飛行甲板を備えた艦のスケッチを描きました。

これが今回の航空戦艦の元になったアイディアです。

 これらの空母について、搭載する艦載機についてはあまり考えていません。

日本海軍多くの優秀な艦載機がありますので、特別に考案することは無いと思いますが、

機会があったら考えてみたいと思います

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ぼくの考えた戦艦 (笑い)

2009-03-22 00:22:49 | スケッチ

 正確には航空戦艦と言います。

 実は、先に「初春」と言う駆逐艦の改案を発表するつもりでいたのですが、あまりに

地味すぎて誰も理解できない恐れがあることに気が付いたのです。

そこでまず見た目も派手な戦艦など良いのではないかと思い、デザインを考えました。

 航空戦艦を考えたのはかなり昔で平成9年9月ごろになります。今回はの原案に

さらに改良発展を加えたものです。 昔の案についてはまた後日に発表する事にしましょう。

 ● 航空戦艦

Photo

 各国が空母の有用性に気が付くと、戦艦の打撃力を備えた空母の計画が立てられました。

アメリカ・ソビエト・イギリス・ドイツと言った主要な海軍国で計画が検討され、ほとんどは

廃案になりましたが、日本においては空母の不足を補うという消極的理由から実現された

のです。 これが有名な「伊勢」「日向」です。

特異な構造は多くの艦船ファンを魅了し、架空戦記などでもたびたび類似の艦艇が登場しました。

 ただ、某誌によれば大和型戦艦も計画当初は水上攻撃機を10数機搭載し、攻撃に際して

艦砲射撃と併用して雷爆激を行う予定だったそうです。

 そこで私も、そうした積極的理由に元付いた航空戦艦案を考える事にしたのです。

 ● 航空戦艦 二面図

Photo_2

  •  

上面図を見て分るように斜め甲板があり、その後方にカタパルトが三本ある発進専用の

飛行甲板がレイアウトされています。 これがこの案の最も大きな特徴で、通常の空母とは

レイアウトが逆になっています。

 こうなった大きな理由は、艦載機の着艦時に前方に艦橋や煙突があるレイアウトだと、

そこから発生する乱気流によって着艦が危険になることが分っているからです。

 航空甲板を普通の縦一本にすれば発着艦に問題はなく、事実各国の計画では、そのような

タイプが大半を占めています。しかし、そういうレイアウトだと、発着艦を同時に行う事ができず

運用上柔軟性を欠くのです。

 そして、主砲群と発艦カタパルトが離れているので、砲撃を行いつつ艦載機を発進させる事

も可能になるのです。

 やってしまえば誰でも当たり前と感じるかも知れませんが、これはいわゆる「コロンブスの卵」ですね。

 ● 主砲レイアウト

Photo_3

Photo_4

 主砲は戦艦に搭載されている砲塔を流用していますが、二番砲塔はニ連装になっています。

これは、その上の航空甲板を支える支柱が内部に貫通している為で、重心上昇を押さえる

目的もあります。

 しかし、こういうレイアウトは不可能でないにしても現実的ではありません。実際には右図

のようにするか船体の長さを増して甲板の長さの不足を補うはずです。(右図下のようなレイアウト

は実際に計画があったそうです。)

 ● 内部

Photo_5

 内部は概ねこんな風になっています。下部格納所は若干小型で戦闘機等を格納

しています。艦載機は順次後方のエレベーターでカタパルト前に上げられ、発艦して

行きます。帰還した艦載機は、前部のエレベーターで格納所へ下ろされ、補給や整備

がなされたあと、再び後方のエレベーターで上げられるのです。

 航空甲板には格納所の天井部分に装甲甲板が使われており、水平防御となっています。

このため、重心の上昇を押さえるよう格納所が一段低いのです。

 こうして建造された航空戦艦は、ある程度の防御力と攻撃力を兼ね備えていますので

戦場における行動がかなり大胆に行えます。そのため敵の空母を捜し求めて戦場を

走り回る事もある程度可能になるのです。

 敵と遭遇する前にあらかじめ戦闘機を上空待機させておく事もできますし、敵を発見

すれば雷爆撃機を急速発艦させて引き続き主砲による砲撃に移ることが出来ます。

 空母を撃滅する為のハンターキラーとしての性格が航空戦艦には期待されるのです。

コメント (2)
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