(左)旧(右)新
前ギアからチェーンが外れる故障に対して、前ギアをギアガード付きの三段ギアに交換
するつもりでオークションでクランク付きのギア一式を落札したのですが、よく観察した
所チェーンが外れるのは特定の数枚の歯からだとわかりました。
並んだ4枚ほどの歯が原因ならギアが歪んでいる事と歯の変形が疑われたのでチェック
してみたのですが、少々の曲りと歯の変形が認められました。この自転車は今まで何回か
転倒しており、その時にギアが曲ったのかもしれません。歯の変形も以前から分かってい
たのでこれらを治して少し様子を見てみることにしました。
ギアはハンマーで叩いて矯正し、歯はヤスリで削って先端を尖らせます。これをやりす
ぎるとギアの寿命が縮むので注意が必要です。
黄色い矢印が問題の不良パーツ
数日走ってみたのですが、やはりチェーンが外れる故障は治らず旧ディレイラーのバネ
のへたりが根本的な原因と考えられました。以前から後ろのディレイラーの交換を考えて
いたのですが、この期間に運よくMTB用ディレイラーが手に入ったので、まずその交換
からすることにしました。
三枚セットの前ギアの歯数は大が48枚と中が38枚で現在の44枚はその中間辺りに
なります。前ギアを交換するとしたら前ディレイラーとシフターおよびワイヤーも取り付
けなくてはならず、それらの部品の入手まで後回しにすると48枚の歯で固定することに
なり、多少の使いづらさを我慢しなければなりません。そこでまずチェーンが外れる原因
を特定してから前ギアを交換しても遅くないのではないかと考えたのです。
ディレイラー・ハンガー
入手したディレイラーは中古ですがほぼ新品の状態で、なぜこの状態の物が安価に売り
出されていたのか怪しまれたのですが、その原因は後で明らかになりました。
その前に、ディレイラーを車体に取り付けるハンガーというパーツが必要な事がわかり、
オークションで探して汎用ハンガーというものを落札しました。パーツの形が旧ディレイ
ラーとほぼ同じだったので、これで間違いないと考えたのですが、幸いにも上手くサイズ
も合致して取り付けることができたのです。
二つのディレイラーを比べてみると大きく形が違っていたので上手く作動するか心配で
したが、結果からいうと上手く行きました。ネットでディレイラーの詳細を調べてみると、
MTB用の比較的安い価格帯の物で9段ギアに対応しているとあります。これなら今後の
前ギアやホイールの交換にも支障はないでしょう。
その代わり形状の違いは思わぬところに影響が出て、ギアガードに接触したためトップ
ギアに入らない弊害が出ました。いくら調整ネジを回してもセカンドギアでストップする
のでそれに気が付き、ギアガードを5mmほど外側に手で曲げて解決しました。
問題のワイヤーを固定するパーツ 孔の内側にバリが見える
取り付けを進めて行くと、ワイヤーを固定するパーツに不具合が見つかりました。よく
観察してみると、これはプレスで打ち出した時のバリが残って適正な位置にパーツが入ら
ないためだと分かりました。そこでバリを切り出し小刀で慎重に削り落とし所定の位置に
はめることができたのですが、どうやらこの不良が新品同様のディレイラーが中古品にな
った原因と考えられました。
逆に言うとそれを入手できた私は運が良かった訳ですが、事は量産部品の不良なので、
これによってトラブルが多発していることが予想されます。同様のパーツを購入された方
は注意が必要だと思います。
(左)旧 テンション調節ができない (右)新 写真左側のネジで調節
ディレイラーの調整も上手く行き、その後数日乗っていますが前ギアからチェーンは外
れる事はなくなりました。旧ディレイラーにはスプリングのテンションを調節するネジが
なく、ハンガーもかしめ加工で作り付けになっていたので、今回の交換は適正で成功だっ
たと考えています。今後は天候の回復を待って他のパーツ交換をする予定です。