T.N.T.-SHOW

メカデザイナー山本薫のBlogです~2006・11・30 お仕事募集中 sp2q6z79@polka.ocn.ne.jp

今年をふりかえって 2007

2007-12-31 21:33:49 | 日記・エッセイ・コラム

  今年は引越しをした関係で、落ち着きのない後半となりました。

ブログが削除されてしまい、復活はしたものの今時点での累計訪問者数が

100人にも満たないという体たらくです。そして、今年もデザインの仕事は

ありませんでした。ゲーム業界は今年奇跡の復興をとげたものの、総じて

メカ系のアクションの需要は少なく、女性や高齢者向けのゲームの需要が

高かったのだそうです。パチンコ業界との結びつきで過去のロボット物や

アニメ作品が次々と登場し、盛んに宣伝がおこなわています。が、裏を返せば

新しいコンテンツの創出が限界に来ているということでもあり、このような形で

しのいでいるのも次第に健全な意味での業界のモチベーションが低下している

からなのかもしれません。

  そうした意味では、今年回復した業界の体力が来年どのような形で波及

するのかは予断を許しません。せっかく制作費が使える状態になっても、

製作の側が枯渇していたのでは、まともなものは出来上がらないでしょう。

 根本的な問題は、新しい物が出にくい環境や状況にあることは今も昔も

変わりありませんが、ネットの進化にしたがって情報の均一化が進んだ結果、

利得や快楽と言ったものまで均一に分配されてしまい、今まで以上に突出

した才能が出にくい、いや出現不可能になっているからだと思います。

 暗い話題ばかり並べましたが、今年はいくつか良い話もありました。

プロジェクト・シルフィードが好評を博し、10月に廉価版として再販されました。

あれは製作スタッフの執念の結晶で、最悪の状況の中からこれだけの物が

できたのは奇跡的とすら言われています。私も10年にしてようやく成功を確証

したわけで、とても印象に残る出来事となりました。

また、現在詳細不明のオファーが一件来ています。メカデザインの仕事になるか

微妙な所ですが、ここから何かに発展してもらいたいと期待しています。

 来年には、人間らしい人生を取り戻す、ささやかな希望を託したいと思います。

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A-MAX ブラック・フット

2007-12-29 18:36:24 | 設定画

  XBOXの通信対戦ゲーム ガングリフォン・アライドストライクに登場する

A-MAXと呼ばれる機体です。最初私は、これを新ガングリフォンとすべくデザイン

したのですが、ゲーム企画の関係でアメリカの機体という事になりました。

Photo

  •  

●A-MAX

全面的にステルスデザインを取り入れて他の機体との差別化を図っています。

かなりの期待を込めてデザインしましたが、担当氏は宮武一貴氏のデザインした

ステルスタイプのバルキリーを見せて、暗に難色を示しました。はっきりとは

言いませんでしたが、それの亜流と言いたかったのでしょう。

しかし、実在のステルスデザインをメカデザイナーが研究して取り入れる事は

普通のことであり、それ以外の接点がないのにデザインを取り下げるのはナンセンス

と言えました。 ただ、ゲーム自体が酷評されたため、デザインについての論評は

ほとんどありませんでした。これは非常に残念なことでした。

Photo_2 Photo_3

  •  

 ●A-MAX 三面図

 ステルスデザインを表現するために、描線の角度を統一する必要があリました。

複雑なロボットをすべて同一角度で描くのは難しく、雰囲気だけの表現となった事

が判ると思います。実際問題、低高度しか飛ばないA-MAXに厳密なステルス

デザインは不必要なのですが。

  • Photo_4
  •  

● A-MAX 脚構造

 降着装置が航空機のように備わっていることで、より現実の兵器

に近く見せています。コクピットへパイロットを乗せるため、しゃがみ

ポーズを考えましたが、これは使われなかったようです。

  • Photo_5

A-MAXは、エンジンの開発不調から、低出力のエンジンを搭載

しており、そのため間欠的なジャンプ飛行能力しかないという後付け

設定があります。

私は、この機体が飛行形態である程度の巡航ができる事にしたかった

のですが、(もちろん設定上で)担当氏からそれを止められたので

設定でフォローしたのです。

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ブルースフィアの潜水艇 2

2007-12-14 21:52:52 | 設定画

 ゲーマーズドリームでは、ホームページが開設されゲームの世界を

定期的に紹介していました。いくつかの潜水艇はポリゴンモデルが掲載され、

擬似的なゲーム画面も紹介されました。

ユーザーがゲームで自機を見るのは、どのゲームでもおおよそ後斜め上

からです。そこで、各機体が後斜め上から見て判別がつくように、特徴を

比較する図を作りました。Photo

いくつかの艇が、相互に見分けがつきにくい(矢印)ので、

若干の変更が加わっています。

 ●SSE-1 ソードフィッシュ

小型で速力を重視した軽快な艇としてデザインされました。

20mくらいの大きさで、小型のキャビンに数名の搭乗者を乗せ、

戦闘機のように水中を運動します。

Sse1

  •  

 ●SUB-1

上の艇より一回り大型の武装と速力に重点をおいたタイプです。

他の艇と違った直線的なデザインを使って、差異を出しています。

ポリゴンモデルの省略のきつさが気になって、銃塔の省略方法

まで指定しましたが、どうなったかは不明です。

Sub1

  ●SAC-3

 複葉にしてデザインに変化をつけた、中型の輸送艇です。

それほど複雑な形でなく、かつ特徴を持たせると言う意味で

地味ながら好きなデザインです。

Sac3

  •  
  •  

  ●STA-1

 大型の客船のイメージでデザインされています。

非常用のスクリューは艇尾に収納され、翼のような電磁推進機

によって静かに航行します。

Sta1

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ブルースフィアの潜水艇

2007-12-13 19:29:15 | 設定画

 平成11年当時、NTTデータはゲーマーズドリームというコンテンツを立ち上げました。

ゲームパッケージを購入してホームページにアクセスし、複数のゲームに参加できるもの

でしたが、当時のネット環境は通信対戦ゲームを行うのに充分なスペックが出ず、企画は

立ち消えとなりました。

 その後のことはわかりませんが、この潜水艇シューティングゲームはその後製作中止に

なったようです。

 ●潜水艦A

最初に、何隻か書いてみてくれと言われ描いた内の一隻です。

通信対戦では表示できるポリゴン数に極端な制約があり、単純な形状

が求められました。未来的なデザインとバリエーションごとの特徴が

必要でしたが、それほどリアルな形状は要求されませんでした。

Sab1 Sab1_b

 ●潜水艇A 三面図

最初だけ三面図を要求され、簡単な作図をしました。

これをもとにモデルが作られ、当時ゲームショーで配布されたパンフレット

に掲載されましたが、ポリゴンモデルは極限まで簡略化されたものでした。

丸い形状はポリゴンにとっては鬼門でしたから覚悟はしていましたが。

Sab1_2

 ●潜水艇C

これらの潜水艇にはニックネームがいくつか用意されていましたが、ゲームが

製作中止になった時点でポリゴンモデルができていなかったものには、コード

ナンバーしかついていません。

この潜水艇はスクリューを船体が囲みこむようなデザインになっている所が

特徴です。ゲーマーの視点が、後方ななめ上からなので、画面上では

判りにくい形状ですが、私は気に入っています。

Sab2

  •  

●潜水艇D

 現代の潜水艦は涙滴型をしています。水中での抵抗を最小にする為です。

そう言う基本的な形状を取り入れつつ、未来的な形状を探ったのがこれです。

ほとんど直感的にできたものですが、スクリューの直径が大きいせいか、

飛行機みたいです。

 ゲーム中でスクリューが小さいと、回転している様子がわかりづらいから

ですが、プロペラみたいでへんですね。

Sab3

  •  

●潜水艇 SUA-1

この潜水艇は、バリエーションを増やす段階で描かれたものです。

上の三隻と違って、輸送力を重視した大型船です。ゲーム中では、

様々なミッションをこなして収入を得、船体や装備を買い換えたり

できます。輸送力を増やせば物品の運送を請け負う事ができるのです。

 単純な棒状の船体にするよりも、双胴にした方が、輸送力を強調

できるのではないかと考え、こうしました。

Sua1

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