昨日は、音楽仲間の家で開かれた落語会に行って来ました。25年前にある店舗の杮落しの時に共演した事のある人でしたが、今は立派な師匠として有名な方です。その時の写真があったので持って行きましたが、今はほとんどなくなっている髪がふさふさと生えていた頃の写真だったので、本人も最初は誰の写真かいなと思ったとの事でした。客は15人しかおらず本当に目の前で落語を聞く事ができてよかったです。表情や息使いも分かるので、細かいところにも気を使っているのだなとの気付きがありました。西洋でいえばサロンコンサートというところでしょうか。インド音楽も今はPAをがんがんに効かせてホールでやっていますが、本来は宮廷などで少人数を相手に生でやっていたようです。商業ベースに乗って、大きなホールでやるようになり音楽は変質してきたようにも思います。邦楽なども四畳半の世界でよいように思います。大きな音を出すことばかり考えたり、マイクの乗りばかり考えた演奏よりは生で、目の前の客を相手にする方が自然でよいように思います。ただ、それではプロの人は食べてゆくのが大変でしょうが。でもプロといっても、演ずるチャンスを少しでも増やしたいと思っている人がほとんどでしょうから、安くても、小さな会場でできる事がもっと当たり前になればよいのではないかと思います。
最近、竹をコーナンで買ってきて、笛を作っています。簡単に作れるのですが、音程を整えたり、音が出やすいようにしたりするのはこれで満点という訳にはゆかず、きりがありませんが、却って楽しいものです。その時に、竹の中に薄い膜があり、作るのに邪魔になるのですが、これはこれで、中国の笛に使う笛膜になるのです。中国などの笛には、弦楽器のさわりのような音を出すために、指孔以外にも穴が開けてあり、そこに竹の薄い膜を貼るのです。そうすると何とも言えない、甘い音が出ます。うまく貼るのは中々難しいのですが、その膜として使えるのではないかと思っています。中国製よりも少し柔らかいような気もしますが、一度試してみようと思っています。ところでこの膜は、竹の内側を覆っているので、うまく外すことができれば、カイコの繭のような袋状にはずせるはずなのですが、中々難しいです。今まで、笛膜として買っていた時は、シート状になっていたので、立体的な形は考えていなかったのですが、自分で取ってみて初めて分かりました。今は、笛作りの中での副産物なので、真剣にやっていないのですが、それ用の道具を考え、うまく竹を切断すれば、完全な袋状の物が得られるのではないかと思います。オブジェとしてもすばらしいのではないかと思っています。誰か、器用な方がやられないかなと思っています。それはさておき、何かを作るというのは楽しいものです。つい時間を忘れて熱中してしまいます。若い人もスマホやゲームばかりしないで、やればよいと本当に思います。そういう場や機会を作り、楽しさを伝えるのは大人の役割なのでしょう。
本日は、仕事の合間に、知り合いの銅版画家の個展を見に行ってきました。とても深みのある独特な作品で、作品を見た後でも心に残っています。でも、よい作品を作るのと売れるのとは別なのでかなり大変だとの事です。昔に比べて値段も下げているが中々売れないとの事でした。マネージャーがいればよいのでしょうが、中々難しい問題でもあります。知り合いの画家は、マネージャーがついて、デパートで絵を売ってもらえるようになったのはよいのですが、安く卸さねばならず、また大量に注文を受けると下請けを頼んで作るようになったりしていました。ただ売れればよいとは言い難いものがあります。音楽も同様で、演奏家自身が売り込みもするというのはかなり大変ですが、マネージャーがつくと、その分も稼がないといけないし、やりたくない仕事も引き受けないといけない事も多いようです。話変わって、昨日は、琵琶の仲間が西宮で演奏会を開き、その応援に行っていました。須磨琴の演奏と朗読に、尺八と篠笛を入れました。とても喜んでもらえたようでよかったです。また平家琵琶も聴くことができました。私も以前、筑前琵琶の4弦を改造して、平家琵琶仕立てにして、弾いたことがあるので興味を持って聴いておりました。終わった後、打ち上げをし、更にその後琵琶仲間のご主人と一献傾けておりました。昔の琵琶の話を聞くことができとても楽しかったです。
11/1は伝統文化の日だったようです。昨日は、その関連イベントがあって知り合いから頼まれて出演しておりました。歌舞伎の連獅子の親獅子の扮装をするモデルを観客の前でするというものでした。舞踊の宗家家元が解説をして、化粧をしてから、衣装を着て、最後にあの長いカツラを被りました。お弟子さんがテキパキとやってくれました。皆さんとても感じのよい方達でした。結構有名な方だったので、もっと偉そうにしているかと思っていたらとても気さくな方でした。ただ昨今の不景気のために、お弟子さんや舞台の依頼も減り、お弟子さん達はそれぞれ他にアルバイトをしながらとの事です。しかし皆さんしっかり躾をされているという感じでさすが古典芸能だなと感心しました。その前日は、琵琶の会があり出演しておりました。西宮の酒蔵のようなものを改装した感じのホールで、狭いでしたが、音がとてもよく演奏しやすかったです。ただ、舞台用眼鏡を忘れ、眼鏡がずれて困りました。昔、演奏会のアンケートで、眼鏡がずれてそれを直すのは見苦しいと書かれた事があり、注意していたのですが。打ち上げがとても楽しくて飲み過ぎてしまい、昨日はちょっとしんどかったです。