音楽人

民族楽器の収集、演奏を趣味に生きているおやじのはなし

フルス

2012-02-28 10:37:53 | 民族楽器
先日、いつものヤフオクでフルスを手に入れました。接続部が外れていて音が出ないとのことで、きれいな木製の物が千円で出ていました。接続部は蜜蝋で固めていることが多いので、ドライアーでも掛けて直せば大丈夫だろうと、また安物買いの根性が出て落札してしまいました。リードは笙と同様に、金属でできていました。やすいのは竹に切り目を入れたものもあるので上等の部類です。メロディー管は鳴りますが、二本のドローンはなりませんでした。でも、それは少しいじってやれば音が出るようになりました。ところが本体につけると鳴りません。息が出ていないので変だなと思って、よく見ると下部に金属筒がついていて丸い穴が開いています。それを油を刺して回してやると、下にあった丸い穴と一致して、貫通しました。それで吹いてみると見事音が出ました。中々高級品です。普通は、下部に紐がついていてそれにタンポンが結ばれていて、それでふたをするのが一般的なのでかなり進化した楽器です。中国の楽器は、こんな風に色々と改作してしまいます。民族楽器や古典楽器も関係なく、簡単にやられるようです。これが中国民族の強さなのかなとも思います。革命が起これば、音律まで変わるのですから、こんなことは取るに足らないことなのでしょう。微妙な音色の違いとか、懐古趣味的なものとは別の生命力を感じます。私も壊れた楽器を使って、変な楽器を作るのが趣味なのでこういうのは大好きです。
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怪人

2012-02-21 11:17:45 | 民族楽器
ネット検索をしていた時、たまたまデカルコマリーさんの名前が出てきました。以前共演したことがある方で、とてもすごい人でしたが、相変わらず、怪人ぶりを発揮しておられるようです。現代の踊り手として、ギリヤークさんとマリーさんはすごいと思います。室町時代から連綿と続く芸人の系譜を引いているというような気がします。生きざまがそのまま表現になっている人は現在ではまれになってしまっているような気がします。小沢昭一さんが昔の芸人さんのことを色々と書いていますが、現在でもシーラカンスのように人知れず生きています。彼らは時代に迎合しないから、中々評価されませんが、時代が追いついてくれば評価されるようになるでしょう。また久しぶりに怪演を見にゆきたいものです。
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倍音

2012-02-20 13:13:09 | 民族楽器
中村明一氏の「倍音」を読みました。最近タモリが徹子の部屋で取り上げて売れているようですが。中村氏は工学部出身とのことで、難しい理論も分かりやすく解説しながら、民族音楽のよさを説いてくれているように思います。健康にもよいとのことで、私のやっている民族楽器を使った即興による音楽療法の理論的な支えにもなってくれます。また、最近はシタールの本も読んでいますが、そういえば最近は余りシタールが新聞記事になることも減ったように思います。それだけシタールが珍しくはなくなったのかも知れません。以前は日本人のシタールの演奏会というだけで記事になっていたのですから。しかし、珍しくはないにしても、ネットででも調べなければ演奏会のうわさは流れては来ません。私の友人も何十年か前にシタールのプロになりました。当時はそんなことして、食べてゆけるのか心配していましたが、時々名前を見るので、何とかやっているのだなと思っています。他にも和太鼓や尺八など色々な楽器のプロを知っていますが、何となく皆生き生きとしているような気がします。まあ、演奏会の場で見るからかも知れませんが。どっちみち人は何かで食べゆかねばならないのですから、それが自分の好きなことであることは幸せなのかも知れません。でも、人によっては趣味がなくなってしまったと嘆いている人もいるようですが。でも民族楽器系の人はあまりそんな人はいないようです。皆アマチュア上がりで、好きでたまらないからプロになってしまっているので、クラシックのように気がついたら弾いていたようなことは余りないようです。そういえぱ思いだしましたが、以前インドに行った時、何となくインドにシタールを習いに来て、帰れなくなっている日本人に会いました。その時は、邦楽の人と一緒だったのですが、彼らはプロでやっていましたが、以前に日本の文化庁から派遣される使節として、海外に演奏に行ったそうですが、取りまとめ役の有名な演奏家の弟子から金を要求されたとのことです。派遣にあたって、その人が他の人を推薦したからだそうですが、どこの世界も大変だなと思いました。
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バラライカ

2012-02-13 09:35:09 | 民族楽器
相変わらずのヤフオクネタですが、昨日見ていたらバラライカが3件出ていました。最近は余り楽器屋に行かなくなったのでよく分かりませんが、バラライカを置いている店は思い浮かびません。中古なので値段もまずまずといったところ。思い立ったらすぐに始めることができます。以前は、店を捜し、教則本を捜し、音源を捜し、先生を捜しと何年もかかってしまったのですが、便利になったものです。ベトナムの楽器は、新品の物がそこそこの値段で何種類かは手に入るようです。もっとも楽器屋といっても、京都のコイズミ屋さんくらいしか思い浮かびませんが。中国の楽器もかなり手に入ります。ヤフオクの魅力は、個人が旅行などで手に入れた珍しい楽器が時々出品されることです。高い値段のこともありますが、現地価格プラスアルファーくらいで出ていることもあります。本当は出品者に手に入れた時の話や現地の話を聞きたいところです。学問の世界では、日本の若者は海外に留学しなくなったと嘆かれていますが、民族音楽の世界では、びっくりするような所にまで、若者が行っているようです。私の方が、こんなことしてて食べてゆけるの?と心配してしまいそうになりますが。まあ、そういう意味ではよい世の中になったのかも知れませんが。音楽の世界の交流がもっと広まってゆけば、世界も平和になると思います。影響力は小さいでしょうが、志しを忘れないでやってゆけばそれなりの意義はあると思います。
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象牙

2012-02-06 08:51:58 | 民族楽器
先日、ヤフオクで象牙の薄板を購入し、以後邦楽器の修復に励んでいます。もっとも、私は自他共に認める不器用なので、修復か破壊かは人によって判断が異なることもあります。以前、他の材料で修復していたものも、本物に置き換えると少なくとも見栄えはかなりアップします。以前、楽器屋さんに聞いたのですが、同じ象牙でもアフリカ象のとアジア象の物では品質が違うとのこと。アジア象のは材質が緻密で古くなっても割れにくいとのことでした。ただ牙の大きさがかなり違うこともあり値段は高いのですと言われて、高い値段を言われた覚えがあります。薄板になると、カッターでも切れるので、細工することができます。以前にも書きましたが、最近また中村明一氏の「倍音」を読んでいます。私は、民族楽器を使った、即興を重視した音楽療法をやっているので、参考になることがかなりあります。民族楽器を使って行く上での理論的な根拠になります。それにしても、倍音は心が落ち着いていいものだとつくづく思います。琵琶やシタールのさわりの音は大好きです。西洋音楽も昔は、もっと倍音を含んでいたようで、中世の音楽などは聴いていてとてもワクワクしてきます。今の、西洋の音はきれいだけれど、少し緊張を伴うように思われます。これからの時代はやはり民俗音楽ではないかと思うところです、と我田引水になってしまいました。
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