宅配新聞

文句を言わないで静かに暮らせるものなら、

そのほうが楽なので今年からはそうしたいのではありますが、

最近では新聞にまで違和感を感じてしまい、

文句を言いたくなっているのでございます、





年末はぴらぴと頁は少なくなり土曜版もお休みです、

元旦は途端に分厚さの勝負になります、

中身はやたらスポーツ芸能記事ラテ欄ばかりでございますので、

ほとんど積んでおいて捨てるだけになります、

挙句の果てに本日は休刊日なのであります、

新聞屋さんもデジタルを推奨していますし田舎では宅配は大変です、

情報が溢れているこの時代に、

貧乏人にとっては複数媒体の情報源は無駄で不要な存在であり、

そういう意味では宅配新聞は最早贅沢品なのかもしれません、





ただしかしそうとばかりも言えないのです、

「福岡伸一の動的平衡」あたりを読んでおりますと、

やはりこれは止められないなと思ってしまうのであります、

とかく食べ過ぎがちなお正月ですが、

消化の本当の意味はと問うてくるのでございます、

食べ物は、

動物性でも植物性でもそもそもは他の生物の一部

そこには元の持ち主の遺伝情報がしっかりと書き込まれている

遺伝情報はタンパク質のアミノ酸配列として表現される

最後の方はいささかちんぷんかんぷんになってしまいますが、

日常何も考えないで行っている行為の深刻さに気付かされ、

思わず愕然としてしまいます、

要は食べるという行為は異物を消化することなのであると思います、

そこで元の持ち主の遺伝情報をいったんばらばらにして、

その情報を消し去ってしまい新たに紡ぎ直して、

自らのものに変えてしまう行為が必要になるのです、

この情報の解体が消化の本質であるというわけであります、

これがうまくいかないと情報が衝突し干渉を起こすのです、

アレルギー反応や拒絶反応と呼ばれているものです、





最近よくテレビでも聞く話ですが、

コラーゲンたっぷりだから翌朝お肌しっとりなんていうお話は、

もしかしたら怪しい可能性もあるのかもしれません、

食用のコラーゲンは食べたらアミノ酸になってしまうのです、

自らの体内で必要なコラーゲンは、

どんな食材由来のアミノ酸からでも合成できるのです、

だからフカヒレや豚足食べても、

お肌はつやつやにはならないのでございます、

それはつまり、

他人の毛を食べれば髪が増えると思うに等しいのだそうです、

こんなコラムがあるものですから、

だから新聞は止められないのです。