夜になっても、熱気が消えません。
砂埃が、酷すぎて、目も鼻も口も、
兎に角、落ち着かないのです。
臭いも音も、蝉の音も、騒々しいのです。
これは、かなりの、長期戦になってしまいます。
こうして、反対の方向ばかりを、
何もしないで、海ばかりを、
じっと静かに、眺めていよう、と思うのです。
そうは、申しましても、
面倒な父の、それこそ、お世話もしていますので、
なかなか、そんなには、思うようにならないのが、
犬の人生、でございます。
たぶん、この戦いは、死ぬまで続きます。
砂埃と、臭いも音も、同じです。