青空の下(もと)咲き誇る桃色桜を探して、
週末朝のお散歩に出かける私の筈でございましたが、
とんでもないお天気になっております、
まるで6月の梅雨の長雨でございます、
黴と霧に咽ぶ朝になってしまったのです、
何度も書いておりますが「思い通りには何もならない」は、
中川五郎さんの「主婦のブルース」の一節なのでございますが、
主婦でなくても愚かなる犬や人間の人生なんてものは、
概ねこんなものでございます、
思ってもいけないし思わなくてもいけない、
喋ってもいけないし喋らなくてもいけない、
聞いてもいけないし聞かなくてもいけない、
いずれにしても惨めで浅ましいのが一生なのであります、
じっと目を閉じ、
ない胸に手を当て、
黴と霧の海を、
眺めます。