*クラウドのデ-たベース機能に虫の認知機能をもたせることは、さほど困難ではない?機器の画像をみると億円規模の開発費が掛かっている?
米Microsoftは21日(現地時間)、病原体を運ぶ特定の種類の蚊だけを、認識、捕獲する“罠”(蚊取り器)を開発したと発表した。
蚊はほかの生物の血を吸って生きているが、この際血液中の病原体ウイルスも摂取するため、伝染病の媒介となりうる。しかし血を吸わないなど、媒介にならない蚊もおり、一概に蚊のすべてが脅威になるとは限らない。
今回Microsoftが開発した蚊取り器の中には2つのマイクロプロセッサが搭載されており、バッテリによって駆動する。クラウドとの間でデータのダウンロードとアップロードが可能。機械学習機能を搭載し、それによって蚊取り器の中に入ってきた昆虫が、ターゲットとして指定されている蚊かそうでないか、またはほかの昆虫かどうかを判断する。
ターゲットの場合のみ、シャッターが閉まり、蚊が外に出られないようにするとともに、その時間や風、気温、湿度などのデータを記録し、クラウドにデータをアップロード。研究者たちはこれらのデータを元に、伝染病がどのようにして広がっていくのかなどを研究することができる。
このプロジェクトはMicrosoft Researchの「Project Premonition」の一環として行なわれ、アメリカのヒューストンにあるハリス郡と共同で展開している。今回は主にジカ熱の伝染について調べる目的で開発された。
プロジェクトの次期目標はドローンを使った展開。短期的には、ドローンに搭載されたカメラとプロセッサで、蚊が移動する距離や集まる場所などを分析する。長期的には、リモートでドローンに蚊取り器を設置させ、山の中など人間が数時間かけて行くような場所にすぐに罠を設置できることを目指す