大手百貨店5社が2日発表した4月の売上高は5社中4社が減収だった。衣料品の販売不振が続くなか、時計や宝飾品など高額品の消費にも陰りが広がっている。高額品から化粧品などの消耗品に売れ筋が移っているインバウンド(訪日外国人)の客単価の下落も響いた。 ブラウスやパンツなど一部の商品に動きはあったものの、首都圏の店舗の婦人衣料の売り上げは前年同月を1割下回った。三越伊勢丹は前年同月比4.4%減。主力の婦人衣料が伸び悩んだ。
訪日客向けの免税売上高は化粧品など消耗品が対象となった14年10月以降で初めて前年割れとなった。時計や宝飾品が苦戦したことについて、「中国での関税検査の強化や為替変動の影響があるのではないか」と分析している。*越境通販の関税減免が効いている、国内で買えるように政府が配慮、店舗ででしか買えないオリジナルな品揃えの売り場が不可欠、通販では買えない製品の展示城を作る必要があるm
大丸松坂屋百貨店は6.3%減、そごう・西武は3.3%減。大丸松坂屋はインバウンドの需要の伸びが顕著だった前年と比べ、宝飾品の苦戦が目立ち、免税売上高は3割減だった。
高島屋は衣料品の不振を旺盛なインバウンド需要が下支えした格好。阪全体のマイナス幅は0.8%と小幅だった。大店(大阪市)や近隣に高速バスターミナル「バスタ新宿」開業した新宿店(東京・渋谷)がインバウンドの取り込みをけん引し、単月の免税売上高は過去最高の32億円となった。
唯一の増収は阪急阪神百貨店の0.6%増。主力の阪急うめだ本店(大阪市)が2.6%増とけん引した。
テルモかぶかすい 4,615前日比+55(+1.21%)
1株株価140.00 該当40
テルモは24日、2016年3月期の連結純利益が前期比26%増の485億円になる見通しだと発表した。従来予想を90億円上回り、3期ぶりに過去最高を更新する。心臓血管などの治療に使うカテーテル(医療用細管)が海外で伸びる。研究開発費が前期から約2割増えるが、増収効果などで吸収できそうだ。都内に保有する不動産の売却益44億円も計上する
売上高は従来予想を50億円上回り、7%増の5250億円の見込み。けん引役は海外でのカテーテル治療用器具の販売だ。カテーテル手術は患者の身体的な負担が少ない。日本では一般的だが、米国を中心に海外でも広がりつつある。テルモは日本での実績を訴えて、医療機関への販売を増やしている。円安も海外事業の追い風になる。
欧州や中南米では血管内に埋め込む「ステント」と呼ぶ手術器具の新商品が伸びる。高単価で利益率も高い。国内でも10月に発売を予定する。
営業利益は13%増の760億円と従来予想から60億円上振れする。血液システム部門では、米国で血液バッグなどの価格競争の影響が期初計画より小さくなりそうだ。連結ベースの海外売上高比率は、前期の約63%から7割近くに上昇する。
採算改善が課題だったホスピタル部門は、利益率の高い医薬品の生産受託や血糖測定器が伸びる。今期は研究開発費が約56億円、減価償却費が43億円増加するが、営業利益も過去最高となる。
15年4~9月期の純利益は前年同期比21%増の265億円になりそうだと発表した。期初計画からの上振れ幅は通期予想と同じ90億円になる。
下期の業績は期初の計画を据え置いており、海外でのカテーテル販売の好調が続けば、通期の業績はさらに上振れする可能性がある。
三井住友海上火災保険は8日、英損害保険大手のアムリンを総額約6420億円で買収すると発表した。同社のM&A(合併・買収)では過去最大の規模となる。人口減が進み、主力の自動車保険が頭打ちとなる国内市場だけでは成長に限界がある。欧州で強い事業基盤を持つアムリンのブランドや商品力を生かし、海外事業を強化する。
来年3月末までにアムリンの全株式を買い取って完全子会社にする。買収額は1株あたり670ペンスで、直近1カ月の株価に約33%を上乗せした。買収資金は手元資金と借り入れで賄う。買収に伴う増資は検討していないという。
アムリンは海上保険に強く、世界最大の保険取引市場であるロイズでは参加する94団体のうち第2位の引き受け実績を持つ。巨額の保険金支払いに備えて保険会社がかける再保険事業をスイスや英領バミューダで手がけ、ベルギーやオランダでは中堅企業と取引が多い。
2014年度の収入保険料は22億7900万ポンド(約4170億円)で、純利益は2億3600万ポンドだった。収入保険料は過去10年の平均で11%伸びており、安定的な成長が見込めると判断した。
三井住友海上はアジアを中心にM&Aを手がけ、過去11年で2300億円程度を投じてきた。記者会見した柄沢康喜社長は「アジアに強い当社とアムリンの融合で相乗効果を高めたい」と語った。今回の買収で収入保険料に占める海外比率は14%から25%に、純利益では25%から45%に上がる。