需給や店頭の繁閑をみて価格を変動させる「ダイナミックプライシング」が小売業に広がってきた。家電量販大手のノジマはこのほど全184店で商品表示をデジタル化した「電子棚札」を導入。ビックカメラも2020年度中に全店で対応する。企業は精緻なデータ分析をもとに柔軟に値段を上げ下げし、需要を取り込む狙いだ。消費者にとっては価格面で選択の幅が広がるが、価格が高い時に買う可能性もあり見極めが必要になる。
ダイナミックプライシングは米航空大手が1980年代から本格導入を始めた。ホテルや航空券のように供給量に制限のあるサービス業で売れ残りを防ぐ手段として浸透し、近年では小売業でも.米アマゾン・ドット・コムなどネット通販企業が活用している。
デジタル技術の進展に伴い、商品を外部から仕入れて販売する従来型の小売業でも、きめ細かく価格設定できる段階に入ってきた。
ノジマは18日、プリペイドカードなど一部を除くほぼ全ての商品の値付けを本部からの遠隔操作で変更できるようにした。大型店であれば1万種類を超える商品の値札を電子化。商品の売れ筋や在庫状況、競合店やネット通販の価格などを総合的に分析し、料金に反映させる。
ビックカメラは一部店舗で先行して、ネット通販の商品評価を電子棚札で表示し始めた。購入者の評価を5段階で毎日更新するほか、スマートフォンをかざすと購入者の具体的な口コミも見られるの主体など、デジタルと店舗の融合を図る。
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