こんなシューベルトは聴いたことがない!どういう指示を出せばあの維納フィルハーモニーがこんな品のない音を出すのだろう。ブルックナーやワーグナーではスケールの大きな音楽を作り上げた指揮者だが、このシューベルトはおかしい。 . . . 本文を読む
33歳の若さで逝ったヴォルフシュタールといふ少々線が細いが美しい音色を持つ提琴家がいた。フーベルマンやデ・ヴィトーよりもエリカ・モリーニがお好きな方には、是非、ヴォルフシュタールも聴いていただきたいと思う。 . . . 本文を読む
バックハウスといへばベートーヴェンをはじめとした独逸音楽の正当な継承者といふ冠が付くピアノ弾きのやうに思われているが、これは、戦後の評論屋さんたちの作り上げたイメージであって事実に反している(と僕は曲解している)。 . . . 本文を読む
アルバート・コーツといふ英国の作曲家・指揮者がVictorの赤盤にレコヲドを残している。これらはKoch社から復刻が出ていたが、日本で発売されたかどうかは分からない。惑星を初演した大指揮者だが、現在では、ホロヴィッツのラフマニノフの伴奏者としてくらいしか知られていない。 . . . 本文を読む
1927年6月6日、アナトール・キタインといふ洋琴弾きが兄のロベルト(提琴弾き)とともに来朝した。帝劇での演奏会では、聴衆の拍手喝采をあびたとされている。実は、この同日、僕の愛聴盤アリャビエフの提琴弾き、ミヒャエル・エルデンコの演奏会も同じ日本で行われていたといふから不思議だ。当時の露西亜と日本には、そのやうな緊密な関係があったのだろうか。 . . . 本文を読む
大変珍しいレコヲドを紹介しよう。これは、1902年にアルフレッド・コルトーがグラモフォン&タイプライター社の縦振動25cm8面に残したフェリア・リトヴィーヌの伴奏をつとめた録音で、正に幻のレコヲドだ。 . . . 本文を読む
1923年のラッパ吹き込みなのが惜しいが、5月24日に2曲の自作のワルツを録音している。これが2曲とも、なかなかの名曲なのだ。作品1番の方はマイナーで始まる結構な大作である。作品2番の方は一転して、エレガントな愛らしい小品だ。 . . . 本文を読む
超絶技巧を聴かせ、同時に歌うところはたっぷりとポルタメントをかけて歌い、テンポも動かす。所謂、昔のタイプの典型的な提琴弾き、ヤン・クーベリックは、有名なラファエル・クーベリックのお父さんだ。ポルタメントはエルマンのやうに甘すぎることはなく、激しくともフーベルマンのやうな荒々しさはない。そんなヤン・クーベリックの素晴らしい演奏がある。 . . . 本文を読む
僕の親父は経済学者だが、フルートも吹くし、リコーダーはカール・ドルメッチに1年間スクールに通って習ったほどの凝りようだった。今では、それらの楽器もすべて僕に譲ってくれ、自分では吹こうとしない。 . . . 本文を読む
ホロヴィッツのブラームスの協奏曲1番を聴き比べできる珍しいレコヲドがある。1935年3月19日にトスカニーニ指揮のもとニューヨークで行われた演奏会と、1936年2月20日にアムステルダムで行われたワルターとの演奏会の2種が収められたものだが、トスカニーニの方は、1楽章の後半のみの収録で、拍手が入っている。 . . . 本文を読む
以前に、ガブリロヴィッチとハロルド・バウアーのアレンスキーのワルツを取り上げたことがあったが、実は、このテイクの1年前に録った未発表レコヲドがVAIオーディオから発売されている。 . . . 本文を読む