AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

NGT48『シャーベットピンク』を聴く。純粋に1曲のアイドルポップとして味わえるか?(ときめき研究家)

2020-08-15 22:26:08 | ときめき研究家
1年9か月ぶりにNGT48のシングルが出た。
前作が2018年10月の『世界の人へ』。その後、2019年1月に発覚したメンバー山口真帆への暴行事件がスッキリと解決しないまま今日に至っており、グループの活動にも依然として大きな影響が及んでいる。
そんな中での久々の新曲発売である。

事件に関する運営側の不透明な動きや、ほとぼりの冷めるのを待つような態度は批判されて当然だろう。
私自身は、事件について積極的に情報収集もしていないため、真相がどうだったのか推察することはできないが、運営側が極めて不誠実だったのは間違いないと思う。何より、アイドルにとって何より貴重な「時間」を空費し、1年半以上もの間CDを出せなかったことは罪深い。
その間に、私の一推しだった「おかっぱ」こと高倉萌香も、歌唱力が素晴らしい佐藤杏樹も、私が知らない間にグループを去っていた。

しかし、とにもかくにも新曲が出た。出たからには聴かざるを得ない。運営が気に入らないから新曲を聴くことをボイコットするという考えの人もいるだろうが、私は切り離して考える。楽曲に罪はない。もしそれが素晴らしい楽曲であれば、頑なにそれを聴かないことは損失である。
そう思って、配信で購入して聴いてみた。その際、グループの現状とか、事件のこととかは思い浮かべず、純粋に1曲のアイドルポップとして味わおうと努力した。なかなか難しいことだが、私なりに純粋に鑑賞することはできたと思う。

結論を書くと、素晴らしい楽曲だった。
好きな子との久し振りの再会を歌った曲で、1年ぶりの再会を歌った『みどりと森の運動公園』と状況がよく似ている。『みどりと森の運動公園』はお互い制服姿だったが、『シャーベットピンク』は私服姿だ。彼女はシャーベットピンク色のスカートを穿いている。もしかしたら『みどりと森の運動公園』のカップルの数年後の歌なのかもしれない。
季節が速く過ぎて行くということも歌われているが、それは『青春時計』『春はどこから来るのか』に通じる内容である。
曲調も、『みどりと森の運動公園』や『春はどこから来るのか』にどことなく似ていて、躍動感と若々しさに溢れている。電子ピアノと男性コーラスが大活躍するサウンドもNGT48っぽい。
イントロからサビのメロディーが使われていて、この曲はサビが命だ。大サビ部分も、テンポをスローダウンさせてはいるがサビと同じメロディーだ。サビの中間に入る電子ピアノの「ジャジャジャン・ジャジャジャン」という合いの手が印象的だ。

歌詞を深読みすると、明らかなダブルミーニングが込められている。
「元気だったかい? 何をしてたの? 久しぶり」
これは歌詞中の彼女への呼びかけであるが、あからさまにファンへのメッセージにもなっている。いや、どちらかと言えばファンからメンバー達へかけたい言葉だろう。そしてそれへの答えはない。
タイトルの『シャーベットピンク』はスカートの色ということだが、何か深い含意があるのではないかとあれこれ考えた。そもそもそんな色の名前があることを初めて知った。シャーベットのように淡いピンク色ということなのか。つまり桜色?『青春時計』で、桜の花びらが散る中、スカートを揺らしながら走って行く彼女のイメージにも重ねているのかもしれない。
それとは別に、松田聖子の『ピーチシャーベット』という曲を連想してしまう。「桃のシャーベット」だからほとんど同じだ。その曲は、2人でプールに行った帰りにピーチシャーベットを食べているが、一向に口説こうとしない彼に痺れを切らしているという歌だ。松田聖子が得意とした、内気な彼を誘惑するパターンだ。『シャーベットピンク』とは、歌詞の内容に共通性はない。

総合的に、NGT48の過去の名曲のモチーフを活用しながら、久しぶりのシングルらしいメッセージも込めた巧みな作品になっている。状況に応じた楽曲づくりは、秋元康の得意とするところだ。マッチポンプとは言わないが、引き続き苦境に立っているNGT48にとって、考えうる最良の楽曲だと思う。

一方カップリング曲に『絶望の後で』という曲があり、これこそマッチポンプの自己言及ソングのようだ。
購入はしたものの、気分が悪くなりそうで、まだじっくり聴いていない。
コメント
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