AKB48 チームBのファンより

鈴木紫帆里さんを中心にAKB48 チームB について語るサイトです。

4月1日さいたまスーパーアリーナ『HKT48コンサート』を観た。(ときめき研究家)

2017-04-02 15:34:27 | ときめき研究家
5年連続で、毎年春にHKT48のライブを観ていることになる。
2013年4月には日本武道館2014年4月にはさいたまスーパーアリーナ2015年4月には明治座2016年2月には代々木第一体育館、そして今回再びさいたまスーパーアリーナだ。HKT48というグループが、進化を続けていることを毎回実感する。

そして今回は、4月10日に卒業する多田愛佳の卒業コンサートだった。多田は舞台の仕事のため、今春のHKT48関東ツアーに参加していないが、この日の昼の部だけ参加することになり、卒業コンサートとなった。
コンサートの前半は通常のコンサート、中盤に1時間ほど多田の卒業セレモニー、そして終盤は再び通常のコンサートという三部構成だったが、全体として心のこもった卒業コンサートだったと思う。

会場は正面にメインステージがあり、向う正面と中央に小ステージ、それらを「田」の字型に巡らされた通路が繋いでいる。3年前の記憶と比べ、会場が狭く感じた。広い会場でも、メンバーが縦横無尽に動き回ることで、近く感じさせる演出の効果もあったのだと思う。

セットリストは以下の通り。
1.『最高かよ』
2.『大人列車』
3.『スキ!スキ!スキップ!』
4.『桜、みんなで食べた』
5.『メロンジュース』
  (MC)
6.『今、ハッピー』
7.『Dear J』
8.『永遠プレッシャー』
9.『君はメロディー』
10.『口移しのチョコレート』
11.『Get you』
12.『バグっていいじゃん』
  (MC)
13.『Maxとき315号』
14.『世界には愛しかない』
15.『会いたかったかもしれない』
16.『制服の羽根』
17.『ドリアン少年』
18.『Gonna Jump』
19.『ハイテンション』
20.『お願いシンデレラ』
21.『行くぜっ!怪盗少女』
22.『恋のダンスサイト』
23.『なんてったってアイドル』
  (MC)
  (ここから卒業セレモニー)
24.『涙のシーソーゲーム』
25.『僕だけのValue』
26.『君の背中』
  (多田愛佳10年の軌跡映像上映)
27.『恋のチューイング』
28.『完璧ぐーのね』
29.『天使のしっぽ』
30.『僕らの風』
31.『思い出のほとんど』
32.『あなたがいてくれたから』
  (卒業セレモニーここまで)
33.『初恋バタフライ』
34.『ウインクは3回』
35.『ロックだよ人生は』
36.『HKT城、今動く』
37.『12秒』
38.『今、君を想う』
  (アンコール)
39.『空耳ロック』
40.『しぇからしか』
41.『ひこうき雲』
42.『HKT48ファミリー』
43.『最高かよ』

総選挙分析ライターさんの記事に関東ツアーのセットリストが載っていたが、敢えて観ずに今日のコンサートに臨んだ。改めて確認すると、ほとんどの曲は共通だ。そのうえで卒業セレモニーを追加しているので、3時間を超える中身の濃いコンサートになった。

『大人列車』のイントロからなぜか涙が出てくる。この曲は、ドキュメンタリー映画でも効果的に使われていたし、グループにとって重要な曲になっている。その後、勢いのあるシングル3曲で一気に会場が盛り上がる。

MCを挟んでユニット曲コーナー。更にMCを挟んで「本気のアイドルメドレー」は、HKTグループの枠を超えた全日本アイドルメドレーだ。思えばHKT48のコンサートで初めて『ザ☆ピース』を歌ったときは話題になったが、今では他グループの楽曲を歌うのも当然のこと。指原やHKT48のスタッフには、いい曲であれば楽曲の出自には全くこだわりがないのだろう。しかし『会いたかったかもしれない』は狙い過ぎで、ここで流れが一旦途切れた感があった。乃木坂46曲なら普通に『ガールズルール』とか『太陽ノック』で良かった。ゲーム音楽の『お願いシンデレラ』は、私は知らなかったが、そんな曲まで取り上げるのかと感嘆。
それにしても『Maxとき315号』はやり過ぎではないか。まだシングルデビューさえしていない妹グループの、なけなしの魂と言うべき曲を使うとは容赦ない。関門トンネルを抜けても雪は積もっていないだろうに。しかし解釈を変えれば、全グループから1曲ずつ借用しているのだから、AKBグループ、坂道グループ、更にはアイドル界全体の共存共栄を企図したことだとも言える。
『なんてったってアイドル』のセンターを多田が務め、いよいよ卒業セレモニーへ。

12歳で加入し22歳で卒業した多田は、間違いなくAKBグループの功労者だ。中学・高校・大学一貫校を入学して卒業するのと同じ10年間をアイドルとして精進して来たのだ。前半はAKB48の中で主に妹キャラとして、後半はHKT48に移籍して活躍の場を求め、若いメンバーたちのお姉さん役として、確かな足跡を残した。その足跡を辿るような卒業セレモニーだった。
『涙のシーソーゲーム』は、2010年の選抜総選挙で22位(21位までが選抜)となり、アンダーガールズのセンターを務めた曲だ。『僕だけのValue』『君の背中』もそれとほぼ同時期で、カップリング曲のセンターを務めた曲である。選抜にはなかなか入れなかったが、彼女としても最も瑞々しい輝きを放っていた頃である。これらの曲は、当時を知る私のようなファンには比喩ではなく涙が出るくらい嬉しかったが、HKT48の新しいファンにとっては耳慣れない曲だったかもしれない。多田本人も挨拶の中でそう言っていた。しかし、彼女の10年を振り返るには欠かせない曲であり、あれでよかったのだ。
続いて渡り廊下走り隊の『恋のチューイング』と『完璧ぐーのね』。『完璧ぐーのね』の歌い出し(渡辺麻友パート)は朝長美桜だったが、近年稀にみる豪快な外しっぷりで、生歌の醍醐味を堪能させてくれた。これを含めて、ほとんどの曲が生歌で、歌唱が乱れる箇所も多々あったが、ライブ感あふれるパフォーマンスで満足した。
そして代表曲『天使のしっぽ』は、今村と上野を従えて堂々のパフォーマンス。間近で見て発見したのだが、しっぽはスカートから生えているのではなく、ちゃんとお尻から生えていてスカートのホックの間から出ていた。
HKT48に移籍して、新しい仲間たちと臨んだ公演の最初の曲『僕らの風』もグッドチョイス。「次の朝が願い叶えるチャンス」という歌詞は今の多田にぴったりの内容だ。
そして、指原とのデュエットで『思い出のほとんど』。前田敦子と高橋みなみのために書かれたこの曲は、生半可なメンバーが気軽には歌えない。同期にして同志、盟友と言うべき前田、高橋の関係と比べると、多田と指原の関係は少し複雑だ。指原にとって多田は、AKB48においてはチームBの「年下の先輩」だ。当時、指原はアイドルとしての多田を高く評価していた。HKT48においては「遅れて移籍して来た、グループ内では後輩」となった。若いグループを育成する協力者でもあっただろう。そういう2人が歌う『思い出のほとんど』は、前田、高橋とはまた違ったしみじみとした味わいがあった。コンサート冒頭から「泣かずに見送る」と言っていた指原だが、この曲では涙を抑えきれず歌唱が何度も途切れた。一方の多田はケロッとしていてしっかり歌い上げていた。その対比もまた微笑ましかった。多田も内心は寂しいのだろうが、照れ屋なのか、強がりなのか、サッパリした態度が目立った。ツンデレキャラの面目躍如だ。
指原が退場した後、多田一人が残りソロで歌ったのが『あなたがいてくれたから』。地元埼玉で「hometown」への感謝を歌う幸福を噛みしめるように歌い、さすがに少しだけ泣いていた。「HKT48に移籍したからこういう卒業コンサートを開いてもらえた」と自分でも言っていたが、その通りだと思う。

卒業セレモニーが終わっても、コンサートは続く。『初恋バタフライ』『ウインクは3回』『ロックだよ人生は』『HKT城、今動く』『12秒』と定番曲が続き、次が最後の曲となる。多田には知らされていなかったようだが、『今、君を想う』。これは完全に「泣かせ」の演出だ。舞台中央の多田に対して、それぞれのメンバーが歩み寄って話しかけながら歌う。声を詰まらせて歌えないメンバーも多かった。

一旦舞台から退場する際に、アンコール発動はすぐにしてという多田の要請どおり、フィナーレの音楽が終わるや否や「らぶたん」コールでのアンコールだ。アンコールはかくあるべし。終演して2、3分経ってからアンコール要求なんて、本来おかしいのだ。本編に対する自然な感動の発露がアンコールなのだという前提は、お互いに守って行きたい。
アンコールは、胸に「らぶたん」という文字が入ったおそろいの黒いTシャツで、『空耳ロック』『しぇからしか』『ひこうき雲』『HKT48ファミリー』。そしてこの日2回目の『最高かよ』。本編でも歌った曲をアンコールでもう一度歌うというのも、本来のアンコールらしくてよかった。

多田は「女優としての目標は賞を取りたい」「これから2年間が勝負。離れて行ったファンを2年間で取り戻す」といった強気な抱負を語っていた。女優の道は甘くはない。先日観た舞台『僕たちのピンクスパイダー』も悪くはなかったが、賞を取るような作品とは言えない。前田敦子や大島優子といった知名度のある卒業生こそ、コンスタントに仕事が入っているようだが、多田の場合どうだろう。
しかし、多田の根拠のない自信、あっけらかんとした決意は頼もしい。彼女なら芸能界でマイペースで生き残っていけそうな気がする。仮に生き残っていけないとしても、10年間の彼女のパフォーマンスは永遠に残る。


多田愛佳卒業発表時の記事はこちら。


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