歴史を辿る

2009年09月20日 | 歴史を尋ねる

 名古屋まつりは、昭和30年に始まった名古屋最大の祭で、メインは織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の三英傑が約700人を従えて行進する郷土英傑行列。大変な歴史処にもかかわらず、3人に纏わる史跡が少ないのも興味をそそる。わずかに残った史跡の説明板を読みながら、歴史は後世によって塗り替えられる、勝者の歴史しか残らないという思いに行き着いてしまう。例えば、濃尾平野を席巻した信長の史跡はほとんど残されていない。信長が若き日居城した清洲城は、清洲町の町制100周年を記念して平成元年(1989年)に再建されたものだが、資料がほとんど残っていないため外観は想定して作られている。あの有名な桶狭間合戦場も正確には特定されず、2箇所が伝えられている。極め付きは武田勝頼と戦った長篠の古戦場に行くと、徳川家康の陣地はきれいに整備されているが、織田信長、豊臣秀吉の陣地は草茫々の岡となっており、付近の風景とあまり変わらない。尾張徳川家300年の成せることとすぐにわかる。長男を死に追いやることとなった信長の所業に対する家康の気持ちを表わしているようにも見える。歴史的事実に現場に立って向き合うと、本を読んだときと違ったいろいろな思いを想起させ、当時が生き生きと思い描けるから不思議だ。


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