韓国では、すべてがソウルになびく
ソウルへの集中度では大学もそうで、まずみんなソウルの大学に行きたがる。
それも“SKY“といわれるソウル大、高麗大、延世大の御三家がブランドになっていて、これでないと出世できないと思われている。
ソウル以外の地方大学は社会的評価が低い。
これは韓国が昔から極度の中央集権国家で、地方に存在感がなかったことに由来する。
極端に言えば韓国には地方文化はないといっていいかもしれない。
人びとの目はみんなソウルを向いている。
上京することばかり考えているのだ。
逆に地方に移り住むときは、伝統的には“落郷“といい、尾羽打ち枯らした失意、左遷、島流しの気分だ。
今でも企業や公務員で地方勤務を命じられると「イヤだ」といって辞めてしまうのが結構いるという。
日本では新聞記者の第一歩は地方勤務だが、韓国にはそんな習慣はない。
中央は中央だけ、地方は地方だけの勤務で終わるようだ。
日本に留学する韓国人学生は圧倒的に東京志向のようだ。
日本も韓国と同じだと思っているからだ。
日本は韓国と違って国のかたちや文化構造が東西に二つに分かれていてすべて東京中心というわけではない。
巨人・阪神、大相撲の東方・西方、江戸落語に上方落語などからはじまり、日本文化には東西に二つの焦点がある。