極私的デンデケデケデケ

音楽との出会いからバンド活動を辞め、社会人になるまでをつづっております

ジョナサンと西村賢太 1

2018-08-25 16:31:59 | Weblog
渥美は56歳になった今でも(2018年8月現在)、せっせとミステリー本を買っているから
その蔵書の量は莫大に違いない。彼の家の一部屋は書庫と化しているだろうことは
想像に難くない。私も読書は嫌いではない。昔からチョロチョロ読んでいる。
だが、家に本はほとんどない。なぜか。

女房のせいである。

場所を取る、邪魔だ、処分せよ、という攻撃に遭って、泣く泣く書籍とサヨナラしてきた。

現在は藤沢周平と車谷長吉と西村賢太が少々あるくらいだ。

独身時代はそうではなかった。上京以来、金もないのに古本屋などで買い求めた駄本が
たくさんあった。筒井康隆全集まであった。これは大学の生協で定期購読をしたのだ。
全集購買特約の生原稿コピーまで持っていた。

結婚するまでの一時期、独身寮に入った。その時は本をダンボールに入れたままにして
おいた。たくさんあると思ったが、ダンボールに入れたら6つにしかならなかった。
結婚直前は独身寮を出て、八王子で独り暮らしをした。その時もダンボールに入れた
ままにしていた。

結婚に当たり、私は家財道具のほとんどを処分した。だが、本とレコードとカメラと楽器は
処分できず、そのまま新婚家庭に持ち込んでしまった。

千葉の2DKの公団住宅にはその量はかなりのインパクトとなった。

その頃の女房は現在と違い、「これ、なんとかしてよ」などど、直接に言うような女では
なかったが、私も現在のように厚顔無恥ではなかったので、新妻に「忖度」して、
「この本をなんとかしよう」と言ってしまった。大体、2年近くそのダンボールは開けも
しないで、武蔵小金井→南大沢→市川塩浜 と三箇所も移動してきたのである。

浜松の実家に送ることを思いついた。実家は両親が住んでいるだけである。ダンボールを
置くスペースは十分にある。その後、帰省のついでにもって行けばいいかな、と思った。

新婚当時、我が家には女房が独身時代に購入したシビックがあった。彼女は男に振られた
腹いせに免許を取って、新車まで購入したのだ。
高卒で薄給なのに、よく新車のシビックを買えたものだ。決断と実行力に恐れ入る。


季節は冬だった。シビックにダンボール6箱を積み込んで、浜松に向った。

ダンボールを持ち込むことを事前に知らせてなかったせいか、
驚いた母親は「処分せよ」と言った。


つづく









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