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佐藤愛子著 「血脈」

2021年04月26日 16時50分04秒 | 読書記

今年の2月から読み始めた佐藤愛子著「血脈」、およそ3ケ月掛けて、やっとやっと読み終えた。(上巻)(中巻)(下巻)、合わせて 約1,800ページの超長編。気力的、視力的、体力的に、いささか草臥れ果てた感有りだが なんとか読み切り、疲労感と共に達成感?さえ覚えているところだ。
数年前まで読書の習慣等まるで無かった読書初心者の爺さん、これまでは、分厚い小説等は敬遠して、出来るだけサクサク読める時代小説や短編集等を主に読んできたが、昨年の2月に、中学生の頃に一度読んだことの有った佐藤紅緑著「ああ玉杯に花うけて」を改めて読んで以来ずっと、佐藤愛子著「血脈」も、なんとしても一度読んでみたいものだと思うようになっていた。しかし、図書館の書架で、その分厚さを目にすると、なかなか手が伸びなかったものだが、今回、思い切って借りてみた。途中で何度も挫折しそうにもなったが、佐藤愛子独特の歯に衣着せぬ、惹きつける文章力、佐藤紅緑、サトウハチロー、佐藤愛子等、常軌をを逸した人間の集まり、佐藤一族の波乱に富んだ実話に基づいた小説の面白さで、読み進めたくなり、返却日までに読み終わらなくて、何度も再借受したりしながら、なんとか最後まで読み切った。
「血脈」は 1989年(平成1年)7月から別冊文芸春秋に連載された小説で、2000年(平成12年)には 菊池寛賞を受賞している作品だ。
作家だった佐藤洽六(佐藤紅緑)が、女優を目指して上京した横田シナ(三笠万里子)と出会い、狂恋するところから物語が始まっている。紅緑と正妻ハルとの子供、八郎(サトウハチロー)、節、弥、久、2番目の妻シナとの子供、早苗・愛子(佐藤愛子)、妾真田いねの子供 幸男、与四男、その配偶者や子供達、家系図を見ないとその関係が理解出来ない程の複雑さ・・・(下巻)には 佐藤一族の家系図が添付されているが・・・。自分を自分で律することが出来ない性格の男達、荒ぶれた血を受け継ぐ佐藤一族の生涯を描いている。その中に 作者佐藤愛子自身も、三人称で登場し、他の登場人物の視点にたって物語っている。特に 父親洽六、異母兄であるサトウハチローの実像について、微に入り細に描かれ、これまで持っていた佐藤紅緑のイメージ、サトウハチローのイメージが ガラリひっくり返る作品、事実は小説より奇なり・・内容が濃く、読み応えの有る作品だ。 

  

第1部(上巻)
  第1章 予兆
  第2章 崩壊の始まり
  第3章 彷徨う息子たち
  第4章 明暗

第2部(中巻)
  第1章 兄と弟
  第2章 衰退
  第3章 敗戦
  第4章 洽六の死

第3部(下巻)
  第1章 渦の行方
  第2章 花吹雪
  第3章 彗芒(すいぼう)
  第4章 宿命
  第5章 暮れて行く


佐藤紅緑著 「ああ玉杯に花うけて」関連記事

➡ 2020年2月15日 佐藤紅緑著 「ああ玉杯に花うけて・少年賛歌」その3 
➡ 2020年2月12日 佐藤紅緑著 「ああ玉杯に花うけて・少年賛歌」その2
➡ 2020年2月11日 佐藤紅緑著 「ああ玉杯に花うけて・少年賛歌」その1
➡ 2020年2月09日 揺れていた進路と「ああ玉杯に花うけて」


それにしても 疲れた・・・、疲れた・・、
少ーし、読書から 放れよう・・・っと。

 


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2 コメント

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Unknown (kaminaribiko2)
2021-04-26 22:12:58
私も数年前に読みました。読み応えがありますね。
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kaminaribiko2さん、こんばんは、 (takezii)
2021-04-26 23:10:22
ほとんど長編小説等読んでいない私、疲れ果ててしまいました。舞台が、紅緑の出身地津軽から、仙台、東京、兵庫、大阪、静岡、千葉、長野等々、時代も明治、大正、昭和、平成、佐藤一族の大河ドラマですね。紅緑の血を受け継いでいると言われる佐藤愛子さん、まだまだご活躍を期待したいところです。
コメントいただき有難うございます。
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