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800kg(スズキラパン分)軽くなりました。



今回採用した「いぶし銀ライト」という瓦によってどのぐらい軽量化が図れたのかを、瓦を施工した渡邊商店と瓦メーカー創嘉瓦工業(株)の協力によって知ることができました。

単に軽量化できましたというより、具体的にどの程度軽量化が図れたのかを確認することはとても大事なことだと思います。

今回使用した瓦(平部)は、2,527枚。

ちなみに棟や袖瓦などは通常の瓦と比べて重さに差はありません。

なので重さに差がある平部の瓦の使用枚数で比較すればよいことになります。

ここから計算内容・・・

通常の和瓦ですと1枚あたり、2.81kgで、この新築住宅では7,101kgになります。

いぶし銀ライトは1枚あたり、2.49kgで、この新築住宅では6,292kg

つまり、「7,101kg-6,292kg」という引き算をすれば、どのくらい軽くなったのか確認できます。

つまり、いぶし銀ライトを選んだことによって、通常の和瓦よりも809kg(0.8t)も軽くなりました。

800kgの重さでちょうどよい例がないかなと調べたらスズキのラパンという車の車両重量が800kgでした。



ようするにラパン分軽くなったと考えればよい、といったところでしょうか。

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ここからは屋根材の話。

熊本地震のこともあり、あらためて屋根材(特に瓦)についていろいろ考える方が増えたと思います。

私は新築の場合は、採用する屋根材に応じてその重さに耐えられる設計をすれば問題ないと思っています。だから瓦だから悪いと短絡的に考えない。

デザイン的なこと、予算的なこと、費用対効果といったメンテナンス的なことや耐久性のことなどを考慮して屋根材は決めていくわけで、屋根材の選択は自由であり、まず軽量化ありきで検討するのはどうかと思います。

そもそも屋根を軽量化したからと言ってその他の検討(基礎及び軸組、床剛性、耐力壁の検討等)をおろそかにすれば耐震性を十分に確保はできません。

つまり、最初からこの屋根であるべきとか、屋根材は瓦以外にすべきではない、というのが新築住宅における私の考えなのです。

(余談ですが、お客様に対して最初の段階で私が説明している点があるとすれば、新築住宅は耐震等級を最高の3となるよう設計するということです。)

例えば、お客様が和瓦がいいなと希望を言えば、その和瓦でも十分に耐震基準をクリアーした住宅を設計すればよいだけの話だと思っています。

つまり、和瓦とか洋瓦では地震が怖いから軽い屋根にしましょうとは最初の設計段階で言いません。

逆にスレート屋根でよいと希望されているお客様に私が屋根材の中でも和瓦が好きだと言っても無理に提案することもありませんし、基本設計を終えた段階で間取りから判断した結果、なるべく軽い屋根の方がよいと判断した場合は、それを設計者として依頼者にきちんと伝え、スレート屋根や金属屋根を提案します。

ちなみに新築ではなく既存の古い住宅における耐震改修の場合は、どうしても耐震性の確保が優先されるため、新築とは異なる手順というか思考で屋根材を検討する必要があるので注意が必要です。


次に以前にもここで書きましたが、新築住宅の耐震検討は簡易的で、屋根も重い屋根、軽い屋根と大きく分類されてしまうため、今回のようないぶし銀ライトも重い屋根扱いになります。

逆に軽い屋根という扱いになるスレート屋根でも種類によって重さに差があります。

このあたり、どこかで線引きというか分類しなければならないとはいえ、いささか気の毒だなと思う屋根材もありますし、ちょっと優遇されているなと思う屋根材もあります。

ちなみに今回の住宅は、いぶし銀ライトでなく普通の和瓦でも耐震等級は最高の3取得でした。

でも建物のことを考え、軽量化されたいぶし瓦がないかなと情報収集し、耐震等級は変わりませんが採用しました。今後もこういう姿勢は大事にしたいと思っています。

最後に、いぶし瓦でなんとか軽量化を図ろうと試行錯誤したであろうメーカー側に心から感謝します。
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