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TOUKAI-0から判断する耐震補強工事の目安


現在のTOUKAI-0耐震診断(無料診断)報告書には、「工事費の目安」というページがあります。これは、県内で実施した補強工事実績を元に県が作成したものです。

ただ、この「工事費の目安」が添付されるようになったのは、昨年度あたりからなので、平成13年度や14年度に診断を依頼した方は、もっていないと思われます。

しかし、工事費用を算出するための計算式は簡単なので、耐震診断の総合評点(X方向とY方向の2つ)さえ分かっていれば、自分でも計算可能です。
X方向とY方向の総合評点のうち、悪い方が表紙の総合評点となりますが、様式2(報告書2枚目)の下あたりにXとY方向の総合評点が記載されています。

例えば、耐震診断の結果が、「総合評点X方向 0.8」「総合評点Y方向 0.7」と書かれていたとします。

「一応安全」とするにはX方向Y方向ともに1.0以上とする必要がありますが、その費用は、62.5万円と算出されます。
「安全」とするにはX方向Y方向ともに1.5以上とする必要がありますが、その費用は、187.5万円と算出されます。
※詳しくは、下記参考資料をご覧下さい。

ただ、この計算式による工事費というものは、大変アバウトなものです。参考にはならないという指摘も当然あると思いますし、私もそれは否定しません。耐震補強工事費用については、ばらつきがあるため、平均値を出しにくいと思われますし、同じ総合評点でも建物の計上や規模によっても費用は変わります。
加えて、TOUKAI-0耐震診断の総合評点は、地盤と基礎の判定に影響を受け過ぎるといった問題があるため、TOUKAI-0型の総合評点を利用した工事費用の算出は危険という見方もあります。あくまでも工事費の「目安」とお考え下さい。

ちなみに私は、この計算式と自分がこれまで実施してきた補強工事を参考にして、自分なりの工事費用目安を伝えています。

しかし、自分で計算をするのが面倒だという方もいると思います。
そこで、静岡県が発行している「木造住宅の耐震リフォーム実例集(H18年度最新版)」に記載されている工事費用を紹介します。はっきりいって、こちらの方が分かりやすいです。

建物状態等によっても違いますが、平成16年度に補助金を受けて補強工事を行った方の平均は約170万円でした。その内、約半数の方が140万円未満、また、30%の方が100万円未満で耐震補強工事ができたと書いてあります。
(耐震精密診断及び補強計画(設計)費用は、15万円くらいと記載)

私個人の意見としては、耐震補強工事にかかる費用は、精密診断など設計費用も含めて、100万円(85万円+15万円)は考えた方がよいと思います。そういえば、耐震補強工事の費用は、建物を解体する費用と同じくらいという意見を述べた方もいましたが、私も同感です。
地震後に建物が倒壊もしくは倒壊寸前の場合、解体工事を行う必要がありますが、その費用については自己負担になると思われます。最近の解体工事は、処分する材料の分別が厳しいので、以前より高いですし、倒壊しているものを処分するから少しは安いだろうと考えるのは少々危険です。

前にも書きましたが、補強内容も建築士や建築業者によって様々なので、補強内容をよく把握することをお勧めします。費用が、平均値ぐらいだから妥当だろうと判断するのではなく、補強内容と工事費用にプラスアルファとして今回、紹介させていただいた工事費用の目安を利用していただければ幸いです。

(注)上記金額は、すべて耐震補強工事に対する助成金や税金の特例を差し引かないものです。

<概算工事費の求め方(参考資料)>
(一応安全)とするにはX方向Y方向ともに1.0以上とする必要があります。

概算工事費※=[(1.0-X方向の評点)+(1.0-Y方向の評点)]÷2×250万円

(安全)とするには、計算式中の「1.0」の部分を「1.5」に置き換えて計算します。

概算工事費※=[(1.5-X方向の評点)+(1.5-Y方向の評点)]÷2×250万円
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