北海道の西半分は猛吹雪らしい。
そこで全てを落としきった雲の絞りカスが大雪山系を越えて、町の上を流れている。
家の中から見る青空は暖かそうに見えるが、気温はマイナスで風力だけは衰えていないのか電線を揺らし、屋根の上に積もっていた雪を氷に変えただけで落とすでも無く、微妙なバランスを保っている。
数日前に図書館へ行った時、探し出せなかった本を買うために書店へ行った。
本を探している時、少し離れた所から聞こえた小さく咳き込む音。
チラ見すると少し艶やかな服装をした30歳代の美人。
この時代で無ければ何気なく接近していくところだが、今はヤバイ。
そしてまた聞こえた控えめな「コホン」と云う咳。
私は早く書店を出たくなり、本を持って遠回りでレジ前へ行きソーシャルディスタンス。
自分の順番が来て現金を用意している途中、彼女のことが気になって周りを見たら、何と真後ろに背後霊のように立っていた。
ギャァァァ・・・・・