米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設問題をめぐり、国の第三者機関「国地方係争処理委員会」は17日、翁長雄志(おながたけし)知事による辺野古埋め立て承認取り消しの撤回を求めた石井啓一国土交通相の是正指示について、適正か否かを判断しないことを決めた。委員会が適否を決めても政府と県の対立関係は改善しないと判断し、両者が協議するよう呼びかけた。

 委員会後、記者会見した小早川光郎委員長(成蹊大法科大学院教授)は判断を避けた理由について、「いずれの判断をしても、それが国と地方のあるべき関係を構築することに資するとは考えられない。結論を出すのが最善の道ではない」などと説明した。

 一方、小早川氏は辺野古移設をめぐる政府と県の対立について「議論を深める共通の基盤づくりが不十分なまま一連の手続きが行われてきたことが、国と県の紛争の本質的な要因だ」と指摘。その上で「普天間の返還という共通目標に向けて真摯(しんし)に協議し、納得できる結果を導き出す努力をすることが最善の道だ」と語り、政府と県が協議するよう促した。

 ログイン前の続き委員会が適否の判断を示さなかったため、国交相の是正指示の効力は続く。このため、沖縄県は今回の結論を不服として、国を相手取り、新たな訴訟を起こすかどうか対応を迫られることになる。翁長氏は17日、都内で記者団に「今後は委員会の決定通知書を精査し、対応を検討していく」と語った。

 委員会は3月から計9回開かれた。翁長氏は4月の意見聴取に出席し、移設計画について「米軍基地の集中による過重な負担、被害を将来にわたって沖縄県に固定化する」と主張。国交相の是正指示を「自然と生態系への破壊指示であり、地方自治の破壊そのもの」と批判した。

 一方、政府は日米同盟の重要性と普天間の危険性除去を訴えた。政府側の代理人は、移設計画の停滞について「米国との信頼関係が確実に損なわれる」と主張。翁長氏の埋め立て承認取り消しを「裁量権を逸脱し、乱用したもので違法だ」と断じた。

 普天間飛行場の移設問題では今年3月、政府が翁長知事を訴えた代執行訴訟が和解し、政府と県がそれぞれ起こしていた訴訟をすべて取り下げた。国は埋め立て工事を中断し、委員会が審査していた。(相原亮)

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係争委は合計9回行われたが、県側が申請していた安全保障の識者ら8名の証人を却下していた。 

屋良朝博元沖縄タイムス記者、我部政明琉球大学教授ら風船テロリストが安全保障の専門家として名を連ねているだけで、証人却下は正解だと思っていた。

国と県の対立は係争委の審査で、遠回りした感が有るが再度県による高裁への訴訟が予定されており、「急がば回れ」で結局「和解勧告」により、国と県の対決は当初より早く終結を迎えると思われる。