25日の琉球新報は共同配信の「『日本核武装』世界が懸念」と題する囲み解説記事を載せた。
北朝鮮の核実験報道以来「日本の核武装」を懸念して騒ぐのは外国だけ。
肝心の日本では非核三原則を唱えれば平和は勝ち取れる能天気ぶり。
一昨日のエントリーでもその辺のことを次ぎのように書いた。
≪なるほど国連安保常任理事五大国は全て核保有国であり、六カ国協議にはその内アメリカ、中国、ロシアが参加している。
それに北朝鮮が核保有するとなると次に技術的、地政学的に言えば日本の名が挙がってもおかしくはない。
だだ一部にはこうも言われていた。
「日本の核保有論にピリピリしているのは日本以外の国で、肝心の日本は鈍感にも議論さえしていない」と。
ところが「中川発言」以来、突然降って沸いたように「日本核保有論」が喧しい。 注目したいのは中川政調会長は「核保有せよ」とは言っていない事だ。≫
共同配信記事は次のように世界各国の懸念を煽る。
「日本に核保有への誘惑が存在し、それを選択選択することは想像できないことではない」(英紙)
「日本の技術力があれば数ヶ月で核兵器を保有できる」(米紙 クリスチャン・サイエンス・モニター)
「日本は核武装を視野に入れている」(国際原子力機関関係者)
「(日本の核武装は)世界的な安全保障構造をいっぺんさせる」(中国人研究者)
「決心さえすればすぐに核武装が可能」(韓国日報)
欧米、中東諸国でもメディアやシンクタンクが次々と日本の核武装への懸念を指摘している。
これでは世界中が「日本の核武装」で喧々諤々の印象だ。
だが肝心の日本では「核武装論」どころか核保有の功罪を論じることすら相成らんとメディアが騒いでいる。
まさに共同記事の副題の通り「被爆国の深刻感なし」である。
だが国民の安全保障を真剣に考えている人もいる。
中川政調会長と麻生外相は「中川発言」で連携していると見るが、麻生氏周辺の関係者は「(麻生発言は)中国と米国へのメッセージだ」と解説する。
中国には「日本が核を持たなくてもいいように、朝鮮半島の非核化に向け影響力を発揮してくださいよ」、
米国には「安保条約に基づき、きちんと日本を守ってくださいよ」と言外に言っているいるのだと言う説明だ。
共同記事もこの辺までは理解できるが結論近くなると、事実の捏造によって、読者をミスリードし始める。
そして記事には突然日本では議論もされていない「日本核武装論」が飛び出してくる。
ライス長官がアジア歴訪の最初に日本を選んだのは主目的の一つは、「日本の核武装論を沈静化させることにあった」と虚偽の記述。
まるで日本中で核武装論が沸騰しているかのような印象操作だ。
更にありもしない、いや議論さえ封じられている「日本核武装論」を前提に共同記事の議論はエスカレートする。
「日本が核武装に踏み切れば、同じく原子力技術を持つ韓国、台湾が追随。台湾がが核を持てば中国が核軍拡に走る。するとインドも呼応、それにパキスタンが対抗ー。米国が最も恐れる「悪魔のシナリオ」、アジア核軍拡ドミノだ。」
なるほど、言ってることは良く解る。
だからこそ、核議論をしてそれを外交カードに、アメリカに日本の安全保障の言質を取り、中国には北朝鮮制裁に本気にさせたのだ。
そして「悪魔のシナリオ」を避けようとしているのだ。
だが一体誰がライス長官に沈静化されるほどの「核武装論」を述べているのか。
繰り返すが中川調整会長も麻生外務大臣も一言も「核武装すべし」とは言っていない。
核論議を安全保障のカードに使っているのだ。
この伝でいくとこの共同が配信する「『日本核武装』世界が懸念」のような扇動記事がかえって日本の防衛抑止力になるわけだ。
中川さん、麻生さんそれに黒幕の安倍さん、「非核三原則を維持しながら、議論だけで他国を牽制できるという安上がりな抑止力」をよくも考え付いたものですね。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます