狼魔人日記

沖縄在住の沖縄県民の視点で綴る政治、経済、歴史、文化、随想、提言、創作等。 何でも思いついた事を記録する。

知事が「偏った政治集会」に参加してはいけません

2007-08-09 11:46:37 | ★集団自決

教科書検定問題、超党派で県民大会 知事出席へ  (8/9 9:40)

 高校日本史教科書検定で沖縄戦「集団自決」への日本軍の強制などの記述が削除・修正された問題で、県議会(仲里利信議長)は8日午後、議会内で各派代表者会議を開き、検定撤回を求める県民大会を超党派で開催することで一致、県議会として大会実行委員会に加わることを決めた。これによって多くの団体を網羅した超党派の県民大会開催が確定した。大会の開催を県議会に要請していた「教科書検定意見撤回を求める」沖縄県民大会準備委員会は、仲里議長を大会実行委員長に据える方向で調整に入る。
 県民大会について仲里全輝副知事は8日、意見交換に訪れた自民党県連の新垣哲司幹事長らに対し「超党派の大会なら知事は出席できる」との意向を伝えた。超党派が確定したことで、仲井真弘多知事も参加する見通しになった。
 県議会の決定を受け、「教科書検定意見撤回を求める」沖縄県民大会準備委員会世話人の玉寄哲永県子ども会育成連絡協議会会長は9日、各構成団体に準備委員会開催を呼び掛け、10日にも準備委員会を開き、県民大会開催実行委員会の設立などを話し合う考え。準備委は9月の大会開催を想定しており、今後、経済界など各種団体に参加を呼び掛けるなど準備作業を加速させる。
 
県民大会は県子ども会育成連絡協議会、県PTA連合会、県老人クラブ連合会、県高等学校PTA連合会、県遺族連合会、県婦人会連合会の6団体が開催を呼び掛けており、県議会に対し7月25日に開催を要請していた。
 大会への参加について一部に異論があった県議会最大会派の自民党は8日の議員総会で県連執行部への一任を確認。2度の休憩を挟んで再開された各派代表者会議には新垣哲司、伊波常洋(自民)、新川秀清(護憲ネットワーク)、金城勉(公明県民会議)、当山全弘(社大・結連合)、前田政明(共産)、當間盛夫(維新の会)の各氏らが出席。全会一致で参加を決めた。
 仲里議長は「全会一致の決定は大変重い。1995年の10・21県民大会に負けない全県的な大会として国に力強くアピールしたい」と述べた。
 95年の少女乱暴事件に抗議する「10・21県民総決起大会」では当時の嘉数知賢県議会議長(現・衆院議員)が実行委員長を務めた。

(琉球新報 8/9 9:40)

                     ◇

興南高校の甲子園一勝を抑えて<教科書検定問題>が堂々今朝の琉球新報の一面トップを飾った。

ウェブサイト記事では分らないが、見出しがすごい。

白抜きの太文字で、

超党派で県民大会

県議会が実行委に参加

仲井真知事出席へ

 

仲井真知事は「県民大会」への出席に消極的だ。

「仲井真知事出席へ」の見出しは読者へのメッセージと言うより昨日まで休暇中だった仲井真知事本人へのプレッシャーと見たほうが正確だろう。

知事は「県民大会」の性格に疑念を持ち、県の主催は拒否し知事本人の参加にも躊躇していた。

県主催拒否の理由が、

県知事が大衆運動の先頭となって主体的に開催することは、行政トップの立場上できない」ということだった。

 

知事の夏期休暇中の8日、知事の「県民大会」参加を県に求めたが、知事に代わって対応した仲里副知事は、

偏った政治的な集会なら参加できない。集会そのものを知事が主催することはない。教科書検定問題というのは事実検証の問題で、感情的、政治的問題ではない」との認識を示した。

仲里副知事は同問題への別の対応として「専門家や学者らから成る組織を立ち上げ、事実を検証することも方法の一つではないか」と提案した。⇒「集団自決」修正/知事、県民大会参加も(沖縄タイムス8月8日夕刊1面)

県の対応はごく真っ当だと思うのだが、偏った政治的集会そのものである「県民大会」をそれらしく演出する為、当初の呼びかけ人だった「日教組(高教組・沖教祖)」を実行団体から省いた。

県民大会は県子ども会育成連絡協議会、県PTA連合会、県老人クラブ連合会、県高等学校PTA連合会、県遺族連合会、県婦人会連合会の6団体が開催を呼び掛けており・・

発起人には上記6団体に落ち着いたが、高教組、沖教組の名は消えている。

大会への参加について一部に異論があった県議会最大会派の自民党は・・

「市民運動」に県議会が参加することに異議を唱える良識派議員もいたようだが、

結局「全会一致の二度の議決」と言う愚行のツケを払わされる結果となった。
   

             ◇

「沖子連、沖婦連、県老人クラブ」を巻き込んで「島ぐるみ」

実行委が「県民大会」開催日を9月9日に開催に拘るのには訳がある。

翌日の9月10日には「沖縄集団自決冤罪訴訟」の沖縄出張法廷で金城重明氏が証言をする。

この裁判のハイライトだ。

その前日に「県民大会」を開催して裁判官に「県民感情」と言うプレッシャーを与えるため「教科書の改ざんに抗議する沖縄県民大会」(仮称)開催準備実行委員会が18日発足した。

この作戦には女子供、そして年寄りが先頭で踊らされた。

結局「県民大会」の主催者を県知事に断られ、マスコミが火付け役にしたのは、

子供⇒県子ども会育成連絡協議会

⇒県婦人連合会

この2団体が呼びかけ人となり、これに

年寄り⇒県老人クラブ連合会

が加わり「政治臭を消した」強力なトライアングルが出来上がった。

これを県議会が裏書し、「毒おにぎり」の仲里県議会議長が実行委員長になって天空に拳を突き上げれば

「県民感情」はいやが上にも盛り上がるというもの。

毒入りおにぎりを渡された県議会議長

入院中、そして休暇中の「勉強」で教科書問題にはまともな意見を吐くようになった県知事が、マスコミが仕掛けたこの「県民大会」と言う壮大な「虚構」にどう立ち向かえるのか。

知事が「偏った政治集会」に参加してはいけません。

◆参考エントリー: 

県が「市民運動」を主催するわけにはいかないでしょう

 

書き終わって更新の遅い沖縄タイムスを覗いて見たら県議会攻略に成功して躍り上がって喜んでいるのが記事に滲み出している。

沖縄タイムスが「裁判」当事者なので嬉しい気持ちは分るが、

「民の声 議会を動かす」って、一寸はしゃぎすぎでは。

それを言うなら「デマゴギー 議会を動かす」が正しい。

県民大会 超党派で/「集団自決」修正 (沖縄タイムス)

 

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3 コメント

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なんとも (suzudaisuke)
2007-08-09 12:57:45
戦争の後遺症が癒えるのに「100年」かかると貴方ブログだったか、書いてありましたが、米軍駐留期間が長かった分、沖縄の方々が米軍の残していった統治プロパガンダから醒めるには時間がかかりそうで、なんとも、気分が重いです。
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ふざけるな (ヒロシ)
2007-08-09 17:06:15
そうなんですよね、高教組、沖教組は名前が載っていないんですよね。本当に参加しないんなら評価したいところなんですけど実務部隊は彼らでしょうね。
自決せざるを得ない風潮に導いていったのはマスコミであり教育であったのに。
あとは「近所の目」これがきついですよね。
学校のいじめを横であおっているだけの状態。
大人がこんなことをしていたら子供たちのいじめがなくなるわけがありません。
中井真知事にはなんとしてでも欠席して欲しいです。
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女子供、老人と教職員 (狼魔人)
2007-08-09 18:16:44
suzudaisukeさん

地元紙の一面トップの嬉しそうな大見出しを見ると、

同じく気が重くなります。

まぁ、気を取り直して偏向新聞を批判し続けます。〈笑〉


ヒロシさん

6月にも教職員主体で「県民大会」を開いており、その時は1000人足らずしか集まらなかったようです。

>高教組、沖教組は名前が載っていないんですよね

前回の反省で教職員を引っ込め、女子供に年寄りを全面に出すなんて芸が細かいですね。

結局知事は参加させられるでしょう。
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