(【産経抄】2007/08/08 )
▼8月9日が「長崎原爆の日」なのは、教育現場でもNHKをはじめとするテレビでも毎年、大きくとりあげられている。にもかかわらず、「ソ連侵攻記念日」がほとんど無視されているのはどうしたことだろう。
▼ソ連や中国が大好きな先生が多かったかつての日教組の「呪縛(じゅばく)」がいまだに続いているためだろうか。中国残留孤児の悲劇も北方領土が62年たっても返還されないのも「8・9」から始まっていることを日本人なら忘れてはなるまい
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毎日新聞の今朝のコラム(外交の警句と南北首脳会談)によると、
「外交とは会話の術ではない。正確な、認証しうるかたちで合意を取り決める術である」という。
つまり弁舌さわやかに相手を説き伏せる能力ではなく、外交文書の作成能力が、外交の要諦だという。
コラムは外交のウンチクを枕に「韓国の盧武鉉大統領と北朝鮮の金正日総書記との平壌での首脳会談」に話が及ぶが、
それは本稿の主旨ではないので省く。
冒頭に一部抜粋引用の産経抄には、すぐ前に次のくだりがある。
<確かに昭和20年2月のヤルタ会談でスターリンは、対日参戦を約束した。4月には中立条約を延長しないと日本側に通達している。だが、8月の時点で日ソ中立条約は有効だった。真珠湾攻撃とは比較にならぬだまし討ちである。>
毎日のコラムに水をさすようだが、外交合意を文書に残したとしても、
相手によってただの紙切れに過ぎないことを歴史は教えている。
もう一度引用しよう。
<中国残留孤児の悲劇も北方領土が62年たっても返還されないのも「8・9」から始まっていることを日本人なら忘れてはなるまい。>
リメンバー満州