7日に開かれた県と政府との5回目の集中協議後、菅義偉官房長官と記者団とのやりとりは次の通り。
【冒頭】
菅義偉官房長官
沖縄県との協議が終わりました。本日は総理が出席のもとに開催しました。本日の協議で、安部総理より2度の訪米の際に首脳会談で沖縄の負担軽減、これについて大統領に直接、働き掛けたことを総理が述べました。
そして、普天間飛行場の辺野古移設に関してはあくまでも19年前のいわゆる日米の合意、そこが原点であるということを申し上げて一刻も早く普天間飛行場の危険除去、これについて進める必要性というものを総理の方から申し上げました。
さらに総理の方からですね、すでに日米間で合意されている北部訓練場の半分以上の4千ヘクタールの早期返還について、沖縄県の協力を得ながらここは取り組んでいきたいという趣旨の話をいたしました。
また日米地位協定の環境補足協定について、近いうちに妥結する見通しであることを総理から述べて、引き続き沖縄県の負担軽減のために安倍内閣として全力で取り組む、と。また、安倍総理からですね、沖縄県、成長するアジアの玄関口として、国家戦略として沖縄県の振興をしっかりと推進していく。そうしたことを述べた上で、さらに沖縄の振興予算については、2021年まで、毎年3千億円を確保する沖縄との約束を重視し、その実施に最大限努力する。そういう趣旨のことを総理から述べました。
これに対して翁長知事からはあらためて普天間飛行場の移設の原点は戦後強制的に土地が接収されたという従来の立場の説明がありました。
これまでの協議において、政府と沖縄県の間でまさに普天間飛行場の危険除去、閉鎖の必要性については認識が一緒になったわけですが、方法論の隔たり、方法論については大きな隔たりが埋まりませんでした。県側の理解を得るまでには至りませんでした。
また今度の集中協議期間を通じて、忌憚のない意見交換ができる関係になったというふうに思っています。今後、沖縄県との対話については、どういう形で政府として対応する仕組みを作るかということについては、安慶田副知事と私の間で9日のもう一度会談して方向性を出していきたいと思います。
【一問一答】
記者 出発点が違う、距離を確認したということだが、政府として距離はまだまだあるという認識か。
長官 ここはなかなか難しいですね。負担軽減、普天間飛行場、世界で一番危険だと言える飛行場を日米で、この飛行場の危険除去と閉鎖について19年前に合意し、3年後に沖縄の当時の知事と市長の合意をいただいた。いろんな紆余曲折がありましたけど、仲井真知事のもとで埋め立ての許可をいただいたわけで、それに基づいて辺野古移設の工事を進めているわけです。そして、米国も総理とオバマ大統領との2度の首脳会談で沖縄の基地負担軽減を強く申し入れをしてまして、西普天間住宅という大規模な土地がですね、まさに初めて具体的な形で返還されることが現実的にできたわけです。そこに国と沖縄県が一緒になって国際医療拠点を整備するという方向に現在なっているわけです。さらにいま申し上げましたけど、安倍総理とオバマ大統領との会談以降に嘉手納以南の約7割の土地について返還が初めて具体的な時期が明示されて、計画が決定している。そしてまた今日の会談で総理からも知事に協力を要請しましたけど、北部の訓練場の4千ヘクタール、極めて広大な土地の返還も私たちは何としても実現したいと思っていますし、さらにコリドー、キンザーというですね、地元からの要請のあるものについては、しっかり政府として負担軽減のために全力で取り組んで行きたいと思っています。
記者 認識の違いについて、総理からどういうふうに具体的な言葉で求めたのか。
長官 総理からですね、やはりまさに現実問題として普天間飛行場、周りに住宅が密集していますから、この危険除去のためにさらに閉鎖するために、米国が辺野古移設ということを具体的に政権として動き始めている。そういう中で負担軽減策が米国も動き出した、と。全力で取り組みたいという話を総理からしました。
記者 今日は埋め立て承認の取り消しは議題に上ったのか。埋め立て承認の取り消しに踏み切った場合の政府の対応は。
長官 具体的な取り消し云々というよりも承認に関して瑕疵(かし)があるというような発言はありました。
記者 政府側は
長官 政府側は行政の判断は下りていると思っています。げんに許可をいただいていますから。住環境、自然環境に配慮しながら、そこは進めさせていただきたいということが政府側の基本的な考え方であるわけです。
記者 双方の溝は埋まらなかったが、工事の再開は間を置かずにやる考えか。
長官 当初のこれ、約束が1カ月間でありましたので、先ほど申し上げましたけど、ただ現在はサンゴの破砕というのですか、それの調査をしていますので、その調査が終わり次第ということになるかと思います。
記者 調査が終わってからと工事再開という認識か。
長官 終わり次第、そこまではしません。
☆
5回目の辺野古協議 翁長知事一問一答
7日に開かれた沖縄県と政府との5回目の集中協議後、翁長雄志知事と記者団とのやりとりは次の通り。
【冒頭】
翁長雄志知事
1カ月間中断して、今日で5回目の集中協議というようなことで、これが最後になろうかと思うが、最初に総理の方から、今日まで努力してきたKC130(空中給油機の岩国基地への移駐)とか、西普天間の50ヘクタールの返還とか、こういった努力の話をされていました。
それが終わった後、私の方から、5回やりましたのでそれぞれの総括だということで、お一人お一人との今日までのやりとりのことを振り返りながら、ほぼ1分か2分くらいずつで話をさせてもらいました。
中谷元・防衛大臣から、海兵隊の抑止力、抑止力というのは海兵隊の機動力、即応性、一体性、これがあって初めて機能するので、沖縄に置くべきなんだという話がありましたから、私は前にも申し上げましたけれども一体性と機動性と即応性は岩国だったり佐世保だったりハワイだったりグアムだったりで分散されていて、それは意味がございませんよ、と。
それからもう一つは、いまミサイルが発達していますので、沖縄は近すぎて危ないんだと私が言った時に、ミサイルにはミサイルで対抗するとおっしゃった時には、私は心臓が凍る思いがしました、と。沖縄を領土としてしか考えてないんじゃないか。140万の県民が住んでいるということに、ご理解がなかったのではないかと。このようなすれ違いがありましたということを申し上げました。
(略)
安慶田光男副知事
私からはですね、政府に対してなぜ辺野古が唯一なのかという考え方が分からないということを言いまして、その根拠として政府はこれまで協議会の中でも本日の官房長官の記者会見でも、19年前のモンデールさんと橋本さんの会談で辺野古の危険性除去だと合意していると。それで、ということですが、危険性除去は話されているがその中では辺野古に普天間を移すという話もされていませんし、合意もされていません、と。大変申し訳ないんですけれど、釈迦に説法みたいなものですが、時系列的に辺野古というのが出てきたのは、小渕総理の時に稲嶺県知事が初めて軍民共同使用、15年の期限時期として出されたのが初めてですよ、と。それで政府はそれを受けて平成11年の12月28日に閣議決定されました。しかし小泉内閣になりますと、平成18年の5月30日に、この案を廃案に閣議決定しております。
そうすると、私たち沖縄県の理解は日本政府には辺野古案はないんじゃないですか。閣議決定してこれを取り消して、現在、辺野古案はないと私たち理解しているんですが、と。常に政府は辺野古の移設は仲井真県知事が埋め立てを承認したことが唯一の根拠だと言っていますが、これも私たちが県政変わりまして、第三者委員会が検証した結果、埋め立てには瑕疵があるという報告であります。そういう意味からすると、私たちは辺野古案が唯一という政府の考え方はおかしいんじゃないかというのを私たちは感じています、と言うと返事はありませんでしたし、ただ聞いていました。
これが私たち県の考えであることを強くもう上げさせていただきたい、と申し上げました。
(略)
【一問一答】
(略)
記者 きょう初めて総理が出席されたが、総理が出られた意味、話していまどう受け止めていますか。
知事 向こうがそのようにするということでしたので、おそらく5回、最後だから総理に締めくくってもらう、これは推測ですから、そうだという風に言えません。いずれにしろ総理がおいでになって、今日記者 総理から冒頭、KC130移転とか政府の努力は認めてほしいという話があったということだが、辺野古が唯一だという話は改めて出ましたか。
知事 総理からは出なかったですね。
(略)
オナガ語録にまたあらたな名言。ブラフが得意なお方です。
ところでエントリーとは関係ありませんが、最近の沖縄常世田のCMおかしいと思いませんか?
尚巴志がオヤケアカハチに「よく来たな」とまるで旧知の仲のように描かれている。史実は琉球王朝の圧政に反抗したオヤケアカハチは尚真王によって殺されるわけですが、このCMはなにを狙っているのか?
「祖父と銀行」の白洲次郎を犬にしたCMといい、これって洗脳の一種ですか?
http://www.okinawatimes.co.jp/article.php?id=131943
つっこみどころ満載の社説である。
まず、県民投票。
住民投票でしょ、っというように。
でも、一つだけ、つっこんでおきます。
>沖縄側が求めていたのは、普天間の県外移設による危険性除去と、新基地建設断念による基地負担の軽減である。
えっ! 違うでしょ。
共産党は、日本中の米軍の基地撤去を望んでいる。
県外移設では、米軍の基地撤去にならない。
翁長知事は共産党の支持をとりつけてから、慎重に言葉を選んでいる。
「普天間の即時閉鎖 辺野古への移設反対」。
普天間の代替えが必要というのは国だから、必要なら国が辺野古以外を探して作れ。
沖縄は探す筋合いも無いし、代替えが必要かどうかの判断もできない。
と。
普天間の県外移設によって危険性除去なぞ、言っていない。
正しく書くなら、「沖縄側が求めていたのは、普天間の閉鎖による危険性除去と、新基地建設断念による基地負担の軽減である」。
県外移設と言えないから、翁長知事は「歴史に鑑みて」を繰り返したのでは、ないか。
歴史に鑑みれば、「無理やり取り上げた普天間の地なのだから、代替地を提供することなく普天間の返還はあり得る」と言ってきたのでは、ないか。
そして、抑止力の点から代替地が必要というなら、それは国の責任で(探して)やってくれと。
社説氏の理解不足か。
それとも、安慶田氏が「翁長雄志知事は日米安保体制を否定するものではない」と、新任司令官と離日する司令官に伝えて基地の必要性を認識していることをアメリカに伝えたことから、意を汲んで、共産党との主張と違う保守の考えを滑り込ませてきたのか。
>5回の協議で示されなかったのは「なぜ辺野古なのか」「県外はどうなったのか」という県民の切実な疑問への説明である。
県民も普天間の代替えが必要と認識しているのか?
県民の中の共産党支持者の「日本中の基地撤去」という願いは、無視か?
辺野古以外に拘るあまり、「代替地が必要」を認めている。
橋本首相や小渕首相との経緯より、「そもそも代替地は必要ですか?」となぜ聞かなかったのだろう?
19年も経って、普天間の3つの機能のうち、安倍内閣の努力でオスプレイの離着陸だけが辺野古に移るのだが、「オスプレイ用に滑走路を造らなくても、既存の基地内で離着陸できませんか?」と。
ただ、「オスプレイを既存の基地内で離着陸できませんか?」と聞くことは、オスプレイの利用を認めることになるから、建白書の精神から、それもおかしなことになる。
国を困らせるために掲げた建白書に首を絞められる翁長知事。
翁長知事の後押しなら、建白書勢力でなくてはならない。
普天間の危険性除去が遅れるような辺野古移設反対を言えるだろうか?
建白書勢力が当選したら、宜野湾市は普天間の閉鎖を延ばしたいという意志表示になる。
佐喜眞氏は、「移設してもらう側だからどこへ移設が良いと言えない」という言い方で辺野古移設容認を言うのを避けているが、宜野湾市民は移設容認かこのままで普天間固定で良いか態度をはっきりすべきというキャンペーンを張って、佐喜眞氏が辺野古容認を言い易い環境作りはできないものか。
http://www.sankei.com/politics/news/150907/plt1509070006-n1.html
>翁長雄志(おなが・たけし)知事が承認を取り消し、政府との訴訟に発展して敗訴すれば職員が責任を問われかねないとして関係部署が主管を押し付け合っているため。
>翁長氏は6月に部にあたる知事公室に辺野古新基地建設問題対策課を新設。
>取り消しを主管する部署は移設阻止の取り組みを一元化する課として同課か、有識者委の事務局を務めた総務部行政管理課になるとみられていた。
>しかし、知事公室長と総務部長は8月中旬になって、公有水面埋立法を所管し、埋め立て承認の審査も行った土木建築部海岸防災課が主管するよう主張。
承認取り消し主管部署の押し付け合いをしている知事公室と総務部だが、長の人事は翁長知事になって任命された人ばかり。
知事公室室長:沖縄美ら島財団常務理事で土木建築部参事監の町田優氏(59)
知事公室辺野古新基地建設問題対策課課長:池田竹州基地防災統括監が兼務
総務部長:沖縄観光コンベンションビューロー専務理事で文化観光スポーツ部参事監の平敷昭人氏(56)
>埋め立て承認の取り消しは辺野古移設阻止を掲げる翁長氏の公約に沿ったもので、基地問題を担当する知事公室が責任を持って所管するのが筋とみられ、土木建築部に押し付けるのは「有識者委の報告書が政府との訴訟に勝つための論拠にならないと危惧し、責任を回避しようとしているためだ」(県幹部)との指摘がある。
土木建築部に押し付けるにしても、土木建築部長は、仲井真前知事時代の當銘健一郎土木建築部長(59)を追い出しての人事だから、翁長知事贔屓の人だろう。
土木建築部長:土木整備統括監の末吉幸満氏(58)が昇格。
知事公室室長、知事公室辺野古新基地建設問題対策課課長、総務部長、土木建築部長、すべて翁長知事にとって温存したい人達ばかり。
「取り消し」して、万が一にも訴訟負けして詰め腹を切らせてはならない人達。
>翁長氏が近くどの部署に主管させるか決めるが、辺野古対策課と海岸防災課の副参事(課長級)を兼務する職員に取り消し文書を起案させる折衷案が浮上している。
そこで上がった人身御供が、土木建築部と言っても、仲井真前知事時代から据え置かれた土木建築部海岸防災課課長の赤崎勉課長。
飛んだ災難である。
【参考】
「外務省参与に沖縄県OB 前知事公室長、基地問題に知見 2015年4月1日」
http://www.asahi.com/articles/ASH413FZMH41UTFK001.html
>外務省は1日、沖縄県で県内の基地問題を担当してきた又吉進・前知事公室長(59)を同省参与に任命する人事を発令した。
>同省幹部は起用の理由について「沖縄の基地問題に豊富な知見があり、様々な助言を得たいと思い、お願いした」と話した。
>米軍の沖縄県についての理解促進や事件事故対応のほか、沖縄県の魅力を海外に発信する国際交流事業などについても助言を得る方針だ。
オピニオン面に一般投稿6本(児童生徒限定の「ぼくも私も」除く)。
「移民県系子弟 温かく接して」の南風原町・金城弘展さん(48)は今年初掲載。
「子の深夜徘徊 親の責任第一」の糸満市・有馬光正さん(70)は1月5、27日、3月3日、4月4日、5月8日、8月15日に続き今年7回目の掲載。
「超元気な94歳 お話も楽しい」の恩納村・山内輝信さん(78)は2月10、25日、4月7日、5月18日、7月5日に続き今年6回目の掲載。
「金武中校歌に 大きなロマン」の金武町・新里均さん(61)は2月3日、5月19日、7月2、14日、8月21日に続き今年6回目の掲載。
「屋良朝苗氏顕彰へ募金」の読谷村・新垣實さん(57)は今年初掲載。
「歴史の岐路に戦後70年」の那覇市・松川和弘さん(74)は1月16日、2月19日、3月1日、4月28日、5月23日、6月5、20日、7月18日、8月7日に続き今年10回目の掲載。
カギカッコは投稿欄における見出し。
埋め立て取消判断あす以降に
http://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/5094762761.html?t=1441683228
安慶田副知事は、8日朝、滞在先の東京で記者団に対し、「まだ、埋め立て承認の取り消しをやるともやらないとも言っていない。官房長官との会談の結果を知事に報告し、判断を仰ぐことになる」
辺野古移設への対応変わらず。
翁長知事、危機続く。